中国外交部の林剣報道官はこのほど記者会見で、中国と外国の人々の往来をさらに便利にするため、中国はビザ免除国の範囲を拡大し、2024年11月30日から2025年12月31日まで、日本など9カ国のパスポート所持者に対してビザ免除政策の試行を決定したと明らかにした。このニュースは瞬く間に両国で話題になった。
石破茂首相は同日夜、首相官邸で記者団の質問に答え、「日中関係の基礎は、両国国民が交流していくことが最も重要だ。両国間の交流が一層盛んになることを期待している」と語った。林芳正官房長官も「日中間の交流が一層円滑化される」と期待感を示している。また、中国の日系企業で組織される中国日本商会も22日の声明で「日中両国の経済交流の強化に不可欠な人的往来の活性化につながることを強く期待する」と同措置に歓迎を示した。
中国は従来、日本、シンガポール、ブルネイの3カ国を対象に、滞在期間15日以内のビザ免除措置を実施していたが、2020年の新型コロナウイルス感染拡大以降、同措置を停止した。
中国が日本人向けの短期ビザの免除措置を再開したのは、現在の両国関係情勢を総合的に考慮し、日本各界の期待に応えた積極的な措置だ。これに対し、中国のある専門家は、「中国側のこの動きはまず日本側の重要な訴えに対する対応だ」と指摘したうえで、「11月15日、石破氏は首相就任後初めて中国指導者と(今年のAPEC開催都市である)リマで会談し、双方は共に努力して中日戦略互恵関係を全面的に推進することを確認した。中国側のビザ免除再開は外交上の約束と態度表明に対する具体的な実行であるだけでなく、持続的な対外開放の拡大と延長でもある」と分析している。
市場の反応も同様に迅速かつポジティブだ。中国旅行プラットフォーム大手の携程(トリップドットコム)のデータによると、中国によるビザの免除措置再開の発表から30分後、携程の海外プラットフォームで、中国関連目的地の検索数が、欧州サイトで前月比65%、日本サイトで112%増加し、特に日本の各都市から中国を目的地とする直行便の検索数が急上昇した。
日本国民にとって、ビザ免除政策は、「China Travel(中国旅行)」が身近になることを意味するだけでなく、中国でのビジネスや学術交流などに対する扉が開かれることも意味する。現在、さまざまな要因による妨害の下、中日両国が友好発展を堅持することに対してあれやこれやと疑問を抱いている人は少なくない。それだけに、双方の友好発展の重要性と切実さを実感するためには、人的交流を強化こそ必要だ。友好は、親しい隣人としてうまくやっていくための道であるだけでなく、発展の道を共に切り開くための根本的な基礎であり、必要不可欠なものでもある。健全で安定した中日関係は、複雑で変化する国際情勢に対してより積極的で重要な役割を果たすことができる。中日両国は、相手国に足を運んでこそ、互いの本当の姿が見えるだけでなく、隔たりや曖昧さから抜け出し、より広い視野で国際関係における中日交流の真意を理解することができ、国際社会における中日関係の良好な発展価値の意義を認識することができるだろう。
中日友好の根幹は民間にあり、中日関係の前途は両国民の手に握られている。扉を開いて交流を強化し、実体験を通して理解の誤りを修正することは、両国民にとって等しく重要な意義を持っている。(CMG日本語部論説員)
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