【観察眼】高市氏がもたらしたコスト いったい誰が支払うのか

CGTN

中国を出発して日本に向かう便の航空券が54万枚以上キャンセルされ、ホテルや飲食業界が急を告げている。日本人研究者は、多くの業界が「存立危機事態」に陥りつつあると警告した。これは台湾に関する日本の高市早苗首相の誤った発言が引き起こすことになった経済の激震のほんの始まりだ。

日本の高市首相は、「台湾有事」と日本の「存立危機事態」を関連付ける、台湾に関する誤った発言をした。この行為は中国政府の厳しい反発を招いただけでなく、日本国内でも経済界や政界、学界での広範な憂慮を引き起こした。

高市氏の発言が引き起こした悪影響は日本経済の多岐にわたる分野に急速に広がっており、人の往来に依存する観光業界が最初に倒されたドミノの牌になった。愛知県蒲郡市にあるホテル経営者がメディアに伝えた情報によると、いつもの年なら少なくとも6割の客室が中国観光客の予約で占められるはずだが、現在は短期間に大量のキャンセルが発生して約2000万円の損失を被った。野村総合研究所のエコノミストである木内登英氏は、中国観光客減少は、日本経済の1年分の成長の半分を超える押し下げ効果を持つと警告し、日本経済は「重大なリスク」に直面していると指摘した。

この危機の深刻さは、日本経済の構造を支える柱を直接揺るがす点にある。観光業はGDPの約7%を占める。そして今年1~9月の訪日外国人旅行者の消費総額のうち、中国本土と香港からの観光客による貢献が約30%を占めたことがデータで示されている。関係者は、中国人観光客の減少によって今後1年間に日本の観光消費収入が約2兆2000億円減少する可能性があると予測している。日本人経済学者の田代秀敏氏は、仮に中国からの観光客が大幅に減少すれば、日本の観光業、飲食業、小売業、さらには教育産業までが真の「存立危機事態」に陥ると指摘した。

市場における信頼感の動揺は直接の経済損失よりも致命的だ。法政大学で政治学を研究する白鳥浩教授は、株価が下落し続けていることについて、中日関係の悪化に対する市場の深い懸念を反映していると指摘した。アナリストによると、高市氏の発言は日本の政治環境の不安定さと見なされ、投資家に日本の経済見通しに対する疑念を抱かせる可能性がある。日本の内閣府によると、日本の今年7-9月期のGDPは前期比で0.4%減少した。通年換算では1.8%の下落になる。田代氏は、中国との安定した経済の連携が保てない場合、日本は深刻な経済不況に陥るおそれがあると警告した。

経済的負担よりもさらに重いのは安全保障上の負担だ。日本の識者は、高市氏の発言は中日関係の政治的基盤を損ねるだけでなく、国を危険な境地に導く兆候と見なしている。参議院議員会館で開かれた緊急集会には沖縄選挙区の多くの議員が出席して懸念を表明した。沖縄の地元団体は「高市首相の発言は簡単に言えば、沖縄と日本の本土を戦場にしようというものだ」と評した。外務省条約局長経験者である東郷和彦氏は、中国から見れば高市首相の発言は内政干渉そのものであり、さらには戦争準備のシグナルだと指摘した。

高市氏の発言は孤立した出来事ではなく、日本の政界が急速に右傾化している現象が集約されたものだ。高市氏は政界入りして以来、歴史修正主義の「旗手」として振る舞ってきた。首相就任後は防衛費の増額を加速させ、武器輸出規制の緩和を推進して殺傷性兵器の輸出を初めて実現させ、さらには「非核三原則」の放棄を示唆するまでに至った。

経済的コストと安全保障上のコストを同時に目の前に突き付けられた日本社会は、一つの根本的な問題に答えねばならない。すなわち、「高市氏の誤った発言のためにこれほどの代償を払うことは、いったい誰の利益になるのか」という問題だ。この道を進んでいけば、代償を最終的に払わねばならないのは日本国民自身になる。(CMG日本語部論説員)

12-05 19:05

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