最近、「韓国語の“濃度”上昇」が中国のネット上で話題になっている。これは中国各地を訪れる韓国人観光客が急増し、観光スポットで韓国語を頻繁に耳にするようになったことを指している。「上海の外灘(バンド)では、上海語よりも韓国語を聞く確率が高い」という上海のネットユーザーもいるほどだ。
濃度が上がっているのは、韓国語だけではない。今年1月から11月、中国のオンライン旅行大手「携程(トリップドットコム)」でのインバウンド旅行の予約は、前年同期比で約120%増加した。とくにシンガポール、韓国、米国、タイ、日本などからの観光客が多くを占めている。
また、オンライン旅行大手の「去哪児旅行(チューナー)」では、外国のパスポートによる中国国内線航空券の予約件数が前年の約3倍になった。予約が最も多いのは米国、ロシア、カナダ、韓国、オーストラリアで、マレーシア、日本、カザフスタンは予約増加幅で顕著な伸びを見せた。中国国家移民管理局の統計によると、今年1月から11月までに中国を訪れた外国人は前年同期比86.2%増の延べ2921万8000人となった。そのうち、延べ1744万6000人がビザ免除措置を利用している。
この1年、「ビザ免除」は中国のキーワードの一つだった。2023年12月、中国はフランスやドイツなど6カ国の一般旅券所持者を対象に、ビザ免除政策の試行を開始した。そして、今年はさらに5回に分けて、一方的なビザ免除の対象国の拡大と適用期間の延長を行ってきた。
とくに12月中旬に発表された新措置では大幅に範囲が拡大された。ビザ免除による滞在時間は240時間(10日間)に延長、入国地点は60カ所に増加、滞在可能なエリアは24の省・自治区・直轄市に拡大され、地域間の移動も可能となった。時間と活動範囲の拡大によって、外国人観光客は中国各地の文化や魅力をより深く楽しめるようになった。
相次ぐビザ政策の緩和は、多くの外国人に中国を直接体験する機会を提供し、中国への新たな認識を生み出した。中国を訪れた外国人インフルエンサーたちはSNS上で、「予想外だった」「想像もしなかった」「まるで未来世界だ」といった言葉で、中国を紹介している。
今年、中国を訪れた米国人ブロガー「Sammy and Tommy」は、SNSに動画を投稿し、「北京は騒がしい大都市かと思っていたが、来てみると正反対だった。街には電気自動車がたくさん走っていて、環境保護が進んでいる。おだやかで静かな都市だ。人々もとても親切だ」と語った。
英国人ブロガーのハービー氏は、 「中国の清潔さと安全性は予想をはるかに超えていた」と語り、中国の鉄道について、「北京から上海までの1318キロの旅が、高速鉄道ではわずか4時間だ。英国の鉄道ではロンドンからマンチェスターまで、わずか180キロなのに2時間もかかる。しかも、英国の鉄道は運行キャンセルが少なくとも3%、遅延率は41%だというのに、中国の鉄道の定時到着率は99%に達している」と称賛した。
この他にも、中国の新エネルギー車の普及率に驚き、グルメに魅了され、宅配やデリバリーサービスの進化を絶賛する外国人も少なくない。
また、これまで外国人観光客を悩ませていた支払い問題も、この1年間で大幅に改善された。米CNNは、「中国の2大電子決済アプリである『ウィーチャットペイ(微信支付、WeChat Pay)』と『アリペイ(支付宝、Alipay)』は現在、国際ブランドのクレジットカードとの紐付けが可能になった。翻訳ソフトの内蔵や、本人認証プロセスの簡素化によって、外国人にも使いやすくなった。また、中国の主要観光地や3つ星以上のホテルでも、海外クレジットカードの受け入れが義務付けられている」と紹介している。
そして今年11月、中国は4年半ぶりに日本に対する一方的なビザ免除政策を再開した。共同通信によると、同政策が発効した当日、北京や上海などの空港では、多くの日本人から同政策を歓迎する声があがった。また、時事通信は、日本国内の航空会社や旅行会社には、中国への観光やビジネスに関する問い合わせが相次いでいると報じた。
来る2025年、中国各地での日本語“濃度”もより濃密なものとなることだろう。(CMG日本語部論説員)
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