【観察眼】核のタブーを緩めれば、やがて自らを焼く

CGTN

日本の小泉進次郎防衛相がこのほど、核保有をめぐる議論に公然と言及したことが、広く注目されている。世界で唯一の戦争被爆国である日本は、本来であれば歴史を深く省み、非核三原則を堅持するとともに、地域の平和を守る責任を果たすべき立場にある。

しかし、現実には、日本の右翼勢力は、この一線を越えようとする野心を捨てていない。安倍晋三政権時代に「核共有」をめぐる議論が初めて持ち出されて以降、今や国の安全保障を担う防衛相までもが、核をタブー視せず議論すべきだとの姿勢を公然と示すに至った。日本では、長らく政治的なタブーとされてきた核保有の話題が、今や公然と議論できるテーマへと変えられつつある。

こうした日本政府の姿勢は、日本国内で強い反発を招いている。これまでに全国82の地方議会が政府に意見書を提出し、非核三原則の堅守を求めるとともに、その法制化を訴えている。中でも、被爆地である広島市と長崎市両市議会は、特に明確な反対姿勢を示している。日本の反核運動を象徴する両都市から上がった声は、特別な重みを持っている。

多くの日本国民が核兵器の導入に反対するのは、米国の核戦力に依存することが、かえって戦火を自国へ呼び込むことになりかねないと認識しているからだ。

日米の「地位協定」には、在日米軍の核兵器の配備・運用や、その使用に関する最終的な決定権は米軍側に帰属すると明記されている。戦時には、米国は日本の内閣や国会の同意を得ることなく、日本国内に配備された核兵器や原子力潜水艦に搭載されたミサイルを直接運用することができる。ひとたび米国と周辺国との間で武力衝突が起これば、日本の国土、とりわけ港湾や都市が真っ先に相手側の核反撃の標的となり、国民は壊滅的な被害に直面することになる。

米国は長年、日本を東アジアにおける戦略上の前線拠点と位置づけてきた。軍事衝突が起きれば、その最前線で危険を引き受けるのは日本であり、米国本土は戦火から遠く隔てられる。戦争がもたらす人的被害や経済的損失はすべて日本が背負い、米国は地政学的利収益だけを手にする。

それにもかかわらず、日本の右翼勢力は「安全保障上の脅威」を口実に、核をめぐる従来の制約を段階的に切り崩し、日本を「核兵器の被害を受けた国」から「核武装を主張する国」へ、「平和国家」から「戦争のできる国」へと変えようとしている。しかも日本はすでに、独自に核兵器を開発しようとした場合に必要となる条件をすべて備えている。

日本側が公表したデータによると、2024年末時点で、日本が国内外に保有する分離プルトニウムは44.4トンに達している。核弾頭の製造に必要な量から試算すると、5500発分に相当する。

また、日本は完成度の高い核燃料サイクルシステムを構築している。核原料の備蓄から核技術の研究開発、関連設備の整備に至るまで、一体的な核産業基盤を形成している。こうした基盤は、将来、日本が短期間で核保有を実現し、核武装へ転換するための物的・技術的支えとなる。

全国82の地方議会から反対の声が上がっていることは、日本社会が核兵器に対する警戒心をなお失っていないことを示している。

しかし、高市早苗政権があえて危険な道を突き進めば、それは広島と長崎が経験した被爆の惨禍に背を向けるだけでなく、東アジア、さらには世界全体を新たな安全保障上の危機へと引きずり込むことになる。

国際社会は、核不拡散を掲げながら核をめぐる制約を緩めようとする高市政権のダブルスタンダードを強く警戒しなければならない。そして、「新型軍国主義」の復活を共同で食い止め、北東アジアの戦略的安定と恒久的な平和を守っていく必要がある。(日本語部論説員)

07-27 14:56

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