


日本政府は7月31日、「国家情報局」を正式に発足させ、高市早苗首相を議長とする「国家情報会議」の初会合を開催しました。この新たな情報統括体制の発足について、中国社会科学院日本研究所の陳祥副研究員は、中央広播電視総台(チャイナ・メディア・グループ/CMG)の取材に対し、「これは単なる行政機構の調整にとどまらない。日本が『新たな戦前体制』へと一歩踏み出したことを意味する」と指摘し、「アジアの隣国や国際社会は、この動きが発する危険な歴史的シグナルに強い警戒を払う必要がある」と警鐘を鳴らしました。

陳副研究員は、今回の改革の本質は「情報収集・分析権限の首相官邸への極端な集中」にあると分析しています。国家情報局は各省庁の情報業務を総合的に調整する権限を持ち、従来の分散型から、首相が直接指揮・統括する体制へと大きく転換します。さらに政府は、初の全国的な情報活動の指針となる「国家情報戦略」の策定にも着手する見通しです。しかし、こうした権力の集中は、日本国内でも強い懸念を呼んでおり、「歯止めを失った権力が、国民の権利保障の最後の一線を超えることへの不安が広がっている」と指摘します。
陳副研究員は、こうした情報体制の集権化の背後には、日本を「戦える国」へと導こうとする明確な意図があるとみています。今年3月には、海上自衛隊が「情報作戦集団」を、陸上自衛隊が「情報作戦隊」をそれぞれ新設するなど、軍事面における情報能力はより攻撃的な方向へと傾きつつあります。また、民間レベルでも政府と関係する情報機関の存在が次々と明らかになっています。陳副研究員はこれに対し、「防衛当局・政界・民間が三位一体となって情報能力を全面的に拡張する現状は、単なる防衛的な布陣ではない。対外的な軍事冒険主義への道を開き、地域における軍事衝突のリスクを著しく高めるものだ」と強い懸念を示します。
とりわけ警戒すべきは、情報の集権化と言論統制が連動しつつある動きだと陳副研究員は訴えます。高市政権は国家情報局内に専任部門を設け、「偽情報への対策」や「外国勢力による選挙干渉の阻止」を名目に、ソーシャルメディアの監視と情報の選別を強化する計画です。陳副研究員は「これは人為的に『情報の繭(フィルターバブル)』を作り出し、異なる声が発信される空間を狭めようとするものだ。日本の複数のメディアも、現在の言論環境の変化には、1930年代に日本が戦争への道を歩み始めた頃の状況と看過できない類似点があると警告している」と指摘します。
2026年5月27日、国家情報会議の設置法案が可決された参議院本会議(写真:CFP)
陳副研究員は、歴史的な教訓として、次のように述べます。
「戦前の日本では、軍部が『統帥権の独立』を盾に独自の情報体系を築き、内務省の特高警察が国内の思想統制を担って反戦の声を弾圧した。軍部のスパイ活動と国内の治安維持機関が連動し、軍国主義による対外侵略に奉仕したのだ。戦後の日本が分散と相互けん制を旨とする情報の枠組みを築いたのは、こうした集権的な情報機関の復活を防ぎ、軍国主義の再燃を制度的に阻止するためだった」
さらに、「歴史はすでに証明している。軍国主義の膨張は、単なる軍事力の拡大によって生じるものではない。情報、言論、治安、軍事を担う機関が相互に結びつき、国家全体を戦争の深淵へと引きずり込んでいく過程で生じるものだ」と強調し、「今の日本は、まさにこの危険な道筋をなぞっている。まず制度の枠組みを再構築することで既存のルールによる制約を取り払い、その後に安全保障文書の改定、憲法改正、軍備拡張、対外介入へと段階的に布石を打とうとしている」と、今後の日本の動向に強い警戒感を示しました。
最後に陳副研究員は、「アジア諸国はかつて、日本の軍国主義による侵略で甚大な被害を受けており、こうした手口に対して本能的な警戒心を抱いている。国際社会は、日本の新たな情報メカニズムの動向を注視し続け、権力の無秩序な拡張が引き起こす連鎖反応に警戒する必要がある。各方面が力を合わせ、『新たな戦前体制』の萌芽を早期に摘み取り、軍国主義の亡霊が情報改革の名の下に蘇ることを絶対に許してはならない」と訴えました。(取材:王小燕、校正:鳴海)
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