



先週、日本とフィリピンは、両国間における排他的経済水域(EEZ)および大陸棚の境界画定に向けた交渉を開始することで合意した。しかし、その対象海域として選ばれたのは、なんと中国台湾の東側海域である。
これは一体どういうことなのか。日本とフィリピンが、中国の島嶼を挟んだまま「境界画定」を協議するというのである。実に荒唐無稽な話ではないか。仮に中国が日本を飛び越えて韓国と日本周辺海域の境界画定を協議した場合、東京はそれを受け入れるだろうか。
まず、この動きは最も基本的な国際常識に反している。
海洋境界画定の前提となるのは、二国間の海岸線が隣接または対向していることである。しかし、日本とフィリピンは地理的に接していない。両国の間には中国の台湾島およびその東側海域が存在している。この地理的条件が意味するものは明白だ。日本とフィリピンの間には、中国を排除した形で成立し得る「海洋権益の重複地域(OCA)」など存在しないのである。にもかかわらず、両国が中国を無視して境界画定交渉を進めようとすること自体、国際法に違反する茶番劇に他ならない。
突き詰めれば、これは地政学的思惑に基づく計算である。
日本もフィリピンも、この「境界画定交渉」が法的には何の効力も持たないことを十分理解している。違法で無効だと承知しながら、なぜなおも演じ続けるのか。その答えは、日本とフィリピンそれぞれが表に出せない思惑を抱えているからである。
日本にとって、これは「再軍事化」に向けた布石である。
海上安全保障をめぐる緊張を煽ることで、平和憲法の制約突破や防衛予算の増額、さらには長距離攻撃能力の整備を正当化する口実を得ることができる。同時に、軍事・経済支援という手段を通じて、東海、台湾海峡、南海における地政学的影響力を強化・拡大しようとしている。
一方、フィリピンにとっては、日本を後ろ盾として利用することで、南海における自らの不法な主張を強化し、中国の権益保護や法執行の力を分散させる狙いがある。さらに、マルコス政権は、国内で経済運営への不満が高まる中、反中感情を煽ることで国内矛盾から国民の目をそらそうとしている。
しかし、見逃せない事実がある。
フィリピンはかつての第二次世界大戦で日本軍国主義による侵略の犠牲となり、深い苦難を経験した国である。それにもかかわらず、今や日本の「新型軍国主義」との結び付きを急速に強めている。これは歴史への裏切りであるだけでなく、国家の未来を賭けた極めて無責任な冒険でもある。
さらに驚かされるのは、「台湾独立」勢力の対応である。民進党当局は、日本とフィリピンによる侵害的な「境界画定」に同調し、「三者が共に地域の平和と安定、海洋生態系の保護に具体的な貢献を行うことを期待する」との妄言まで発した。これは、自らの首に突きつけられた刃を装飾品として眺めるようなものであり、外部勢力にすり寄って民族の利益を売り渡す行為にほかならない。このような行為は、必ずや両岸同胞からの批判を招き、歴史の審判を受けることになるだろう。
この茶番劇に対する中国側の反応は明確で断固たるものだ。
日本とフィリピンによるいわゆる「境界画定交渉」は完全に不法かつ無効である。
中国の対応は外交的な表明にとどまらない。
6月1日、中国海警の「岱山」艦編隊は、台湾島東方海域で法に基づく巡視・法執行活動を実施した。
これは中国海警が独立した法執行巡視として同海域で公に活動した初めての事例であり、中国が関連海域において常態的な管理・管制を実施する能力を十分備えていることを示すものとなった。
歴史は繰り返し証明してきた。国際関係において、小細工を弄する際、最も危険なのは誤った情勢判断である。日本による釣魚島のいわゆる「国有化」騒動の後、中国は関連海域で常態化した巡航活動を開始した。また、フィリピンによる南海仲裁事件の後、中国は南海における管理・管制をさらに強化した。不法な「境界画定」によって現状変更を図ろうとするならば、その結果として本当に現状が変わることになるかもしれない。ただし、その時には、もはや元の状態に戻れなくなっているだろう。(CGTN日本語部評論員)
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