



今年7月、いわゆる「南海仲裁裁定」が発表されて10年が経った。南海における中国の領有権を否定するこの裁定は、域外勢力による恣意的な操作や手続き上の欠陥が指摘されるものであった。そしてこの10年、法理上も無効なこの政治的茶番は、域内諸国から事実上、放置されてきた。しかし、域外国である日本は南海問題を執拗にあおり続け、7月12日には、米国やフィリピンなど数カ国とともに、いわゆる共同声明を発表した。さらに、茂木敏充外相も談話で、この違法かつ無効な裁定を改めて持ち出し、その正当性を強調した。
日本政府が繰り返し南海問題に干渉し、ダブルスタンダードに満ちた海洋政策と常識を欠く政治的パフォーマンスを続けることは、規則を守るどころか、秩序を破壊するものである。
まず、法理面から見れば、いわゆる「南海仲裁」はフィリピンが一方的に申し立てたもので、対象とされる領土問題は国連海洋法条約(UNCLOS)が規定する範疇に属しておらず、条約の授権範囲を超えたものであり、仲裁そのものが「違法・無効・拘束力なし」という三つの欠陥を抱えているのだ。
実は、この仕組まれた茶番の裏には、日本の存在があった。10年前、当時の国際海洋法裁判所の所長であった柳井俊二氏は、日本外務省出身で右翼的な姿勢で知られる人物である。彼はいわゆる「臨時仲裁裁判所」に5人の仲裁員を集めた。彼はそのうち4人を直接任命し、残る1人はフィリピンが指名した。そもそも仲裁裁判所は、領土主権問題を判断する権限を持たない。つまり、この審理自体が明らかな越権行為であり、その判断は法を曲げた裁定にほかならない。いわゆる「仲裁裁定」は、政治的な思惑によって作られた一片の政治文書に過ぎず、一切の法的根拠もない。
次に、日本側が盛んに唱えるいわゆる「仲裁裁定の基準」に照らしてみれば、海洋法の遵守を掲げる日本自身の海洋政策こそが、まさにダブルスタンダードの典型となっていることがわかる。
日本は中国に対し、「仲裁裁定を完全に遵守し、海洋ルールを厳守せよ」と繰り返し要求しているが、自らは長年にわたり自己都合による海洋政策を進めてきた。遠隔地の小島や無人の岩礁などを根拠として、広大な排他的経済水域を勝手に設定し、周辺海域の資源を独占し、他国の正常な航行や操業を制限している。岩礁は排他的経済水域を持つことはできないという国際法の基本原則を完全に無視しているのだ。
日本側が標榜する「南海仲裁裁定の基準」からみてみよう。中国の南沙諸島にある太平島は、面積が広く、淡水資源を有し、野菜や果物などの栽培もできるにもかかわらず、「岩礁」として認定され、排他的経済水域を持たないとされる。
それでは、満潮時に海面上に残る陸地部分が、わずか畳2畳分ほどしかない「沖ノ鳥島」は、なぜ「島」とされ、数十万平方キロメートルもの排他的経済水域を主張できるのか。
もちろん問題は、「沖ノ鳥島」だけではない。日本側が提唱する南海仲裁裁定の基準を適用すれば、日本が主張する多くの海洋権益も成立しなくなってしまうだろう。海洋ルールを守れというのであれば、日本はまず自ら模範を示し、根拠に欠ける主張を進んで放棄すべきではないのか。
一方では、でたらめな「ルール」を振りかざして中国を押さえ込もうとしながら、他方では、自らの海洋権益の拡張については口をつぐむ。日本側の訴える「ルール」は、まさにダブルスタンダードにほかならない。
第三に、歴史から見れば、今日の日本政府は、どうやら過去を忘れてしまったかのようである。第2次世界大戦中、日本軍国主義は侵略戦争を引き起こし、南海にある中国の島々を不法に占領した。さらに太平洋戦争を引き起こし、中国やフィリピンを含む南海周辺諸国の人々に甚大な苦難をもたらした。日本こそが、近代における南海情勢の混乱を招いた張本人なのである。
それから80年余りが過ぎた。日本は南海の主権を主張する国でも、域内の当事国でもない。侵略戦争を始めた国であり、第2次世界大戦の敗戦国であるにもかかわらず、日本は歴史的な罪責を反省するどころか、再び域外から混乱を引き起こす存在として南海に介入している。日本の南海政策は、当初から地域の平和と安定を目標としたものではなく、中国を牽制し、自らの軍事的影響力を拡大するための企てである。その本質は、南海問題を利用して地域情勢をかく乱し、平和憲法の制約から抜け出し、軍事的制約の緩和を進め、海外への勢力拡大を図ることにある。それはすなわち、「新型軍国主義」の道を歩むことにほかならない。
最後に、ここ10年の南海の実情に目を向けておこう。中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国は、対話と協議を堅持しながら「南海行動規範」の策定に向けた協議を順調に進めてきた。海上における実務的な協力も深化させ続けており、海上貿易は円滑に行われ、南海情勢は総じて安定している。地域諸国はこの平和発展の状態を大切にしており、域外勢力に利用され、対抗に巻き込まれることを望んでいない。
日本は時代の流れに逆行し、10年前の無効な仲裁を繰り返し蒸し返している。これは、地域の主流をなす民意にも、発展の大勢にも背くものである。その結果、日本は国際社会でますます孤立を深めることになっていくだろう。(CMG日本語部論説員)
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