【観察眼】開かれた中国は世界にとって常にチャンス

CGTN

このほど閉幕した中国共産党第20期中央委員会第4回全体会議(四中全会)では、「国民経済と社会発展の第15次五カ年計画の制定に関する中国共産党中央の提案」が審議・採択された。これは、今後5年間の中国の経済社会の発展を導く詳細なロードマップとなる。この新たな青写真は、中国の未来を方向づけるだけでなく、日本をはじめとする世界各国に、グローバルな課題を共に乗り越えるための新たなチャンスをもたらすものとなる。

中国の第15次五カ年計画(2026~2030年)は、中国が社会主義現代化の基礎を固め、全面的に力を注ぐ重要な時期にあたる。「提案」では、「現代化産業システムの建設と実体経済の基盤強化」が最優先の戦略課題として掲げられた。さらに、四中全会では、中国が開放と協力、互恵とウィンウィンを堅持するという強いシグナルを内外に発信し、今後は特別措置を講じながら、ハイレベルの対外開放をいっそう拡大していく方針が示された。

これは中国が今後も「投資中国」キャンペーンを継続し、透明で安定した予測可能な制度環境を整備するとともに、双方向の投資協力をさらに拡大していくことを意味している。日本にとって目と鼻の先にある中国の巨大市場は、完備された産業システム、豊富な人材資源、超大規模な市場といった強みを持つ。また、第15次五カ年計画の期間中には、新エネルギー、新素材、航空宇宙、低空経済など、数兆元規模の新たな基幹産業が次々に誕生し、さらに、量子テクノロジー、バイオマニュファクチャリング、6Gモバイル通信といった未来産業の育成が進められる。これらの分野が本格的に成長すれば、今後10年で中国のハイテク産業はもうひとつの巨大市場を構築し、日本企業をはじめとする世界の投資家に多大な利益をもたらすだろう。

今日の世界は、戦争や衝突、不安定な経済、インフレ圧力など、激しい変動と混乱に翻弄されている。その背後には、物価上昇への懸念、生活や将来への不安といった人々の切実な思いが見え隠れしている。こうした不確実性に満ちた時代にこそ、近隣との関係がいっそう重要となる。歴史が繰り返し証明してきたように、中日両国は協力すれば共に利益があり、戦えば共に損なわれる。世界経済が多くの試練と不確実性に直面する中では、分断や対立に活路はなく、互恵と協力こそが唯一の正道である。

特に中日両国には、長年にわたり培ってきた経済の相互補完性があり、その潜在力は極めて大きい。中国社会科学院日本研究所が今月21日に発表した「日本経済青書:日本経済と中日経済貿易関係研究報告(2025年)」によると、日本は現在、生成AIを軸としたデジタル経済の戦略構築を急いでいる。一方、中国の第15次五カ年計画では、重要なコア技術の自主開発を推進するとともに、「AI+」戦略の実施を掲げている。技術開発から応用・実践に至るまで、両国の連携には大きな可能性が広がっている。また、高齢化という共通課題においても、両国は協力の余地を持つ。介護・医療分野における日本の成熟したノウハウと、中国の巨大市場および体系的な高齢化対策が結びつけば、シルバー経済の分野で新たなブルーオーシャンを切り開くことができるだろう。さらに、グリーン・低炭素モデルの転換においても、新たな協力の機会が生まれている。中国は現在、「美しい中国」の建設を目指し、経済社会の全面的なグリーンモデルの転換を進めている。これは、日本にとって環境保全技術や再生可能エネルギーなどの分野での協力を展開するチャンスとなるはずだ。

市場は、いまの世界における最も貴重な資源の一つである。中国は巨大な国内市場の潜在力を引き出し、内需拡大を戦略の基点として堅持しながら、消費喚起のための特別施策を継続的に実施し、超大規模市場がもたらす「ボーナス」を最大限に活用していく。王文涛商務部長は四中全会の精神を紹介する記者会見で、「中国は国民総生産(GDP)だけでなく、国民総所得(GNI)にも目を向け、『中国の経済』とともに『中国人の経済』をも重視する」と述べ、中国が国民生活の向上を重んじていることを強調した。

第15次五カ年計画は、閉ざされた内向きの計画ではなく、さらなる開放を世界に宣言するものだ。全世界のパートナーと手を携え、開放によって発展を促し、協力によって利益を分かち合う現代化の歩みを共に進めようという中国からの呼びかけでもある。日本の各界が、第15次五カ年計画の発展の機会を的確に捉え、ハイエンド製造、デジタル経済、シルバー経済、グリーン・低炭素分野などで実務協力を拡大していくことを望んでいる。それは、日本経済の再生の新たな活力となり、人々の生活に幸せをもたらし、さらにはアジア太平洋地域の繁栄と安定にも寄与するだろう。より開かれた、質の高い発展に取り組む中国。その存在はいつまでも日本、そして世界にとって大きなチャンスであり続ける。(CMG日本語部論説員)

10-27 14:06

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