【観察眼】日本のメディアは「客観公正」を自画自賛すべからず

CGTN

ソーシャルメディアのX(旧ツイッター)に日本のあるテレビ番組の一部が最近になり動画投稿され、その内容が中国人ネットユーザーの怒りを呼び起こした。動画は、日本の某テレビ局が街頭で中国からの観光客に取材を行った際に突然、「中国の指導者が日本への観光を自粛するよう呼びかけているか」と質問する様子を紹介した。中国人観光客は困惑し「知らない」と答えたが、日本語字幕は「言えない」だった。

動画の投稿者は「一部の日本メディアは番組で、中国人観光客の回答の一部だけを抜き出して使用し、意味が正しくない日本語字幕をつけることがしばしばあるのでまったく信頼できない」と論じた。最も怒りを呼んだのは、このテレビ局が今年3月に意図的な編集によって「中国人がカラスを食べる」という虚偽情報を作り出し、中国への偏見を助長したことだ。

高市首相が11月7日に台湾関連で誤った発言をした後、「客観公正」と自画自賛する日本のメディアは、突如としてこの4文字の原則を忘れてしまった。一部の日本のメディアは論争を拡大し、対立を誇張する役割を果たしている。

中央広播電視総台(チャイナ・メディア・グループ/CMG)は最近になり著名な日本人研究者である拓殖大学の富坂聡教授を取材した。富坂教授は「高市首相の発言は軽率であり、アジア地域の安全保障情勢を危険にさらしかねない」との見方を示した。富坂教授はまた、日本のメディアの偏向報道を批判し、高市首相のポピュリズムの政治手法には警戒する必要があり、歴史から教訓を汲み取って冷静に判断して客観的に報じるべきと指摘した。多くの日本人ネットユーザーはXとフェイスブックに投稿されたCMGのニュースに対して、高市首相の発言は間違っていると批判したほか、日本政府が実際の行動で一つの中国の原則の約束を履行すべきと指摘するコメントを残した。日本の政界の右傾化やポピュリズムの台頭、中日間世論の悪化に懸念を示したユーザーもいた。

では、日本人ネットユーザーの書き込みを見てみよう。「高市のせいで産業が損害を受け、国民が分裂した。高市はどうして、平和を愛好する日本国民を戦争に追いやるのだ」「今の右傾化した日本人の言動と高揚する情緒は異常。扇動されているとしか思えない。皆が集団心理で高ぶって、愛国主義に満ちた書き込みをする。実際には一種の妄想だ。政府が扇動して火をつけている」「富坂先生の言う通りだ。高市首相に無責任に迎合するマスコミを批判すべきだ」といった状況だ。

日本の一部の反戦平和団体や市民は11月7日以降、首相官邸前で何度も抗議デモを行っている。参加者数は時として数百人に達する。彼らは高市首相に関連発言を撤回するよう求めている。しかしヤフーで検索したところ、日本のメディアによる関連報道は多くないことが分かった。

国際社会の政治家や学者は高市氏の発言をどのように見ているのか。日本のメディアによる関連報道は、ほとんど見られない。しかし、中国メディアはこれらの人々に取材し、彼らの見解を発信し、より多くの日本人に国際社会の視点と考え方を知ってもらおうとしている。例えば、米国にある中国・米国研究所(ICAS)のスーラブ・グプタ上級研究員は、「日本は台湾を利用して中国を牽制(けんせい)し、中国の内政に干渉している。日本は軍国主義の過ちを繰り返さず、歴史の悲惨な教訓を直視せねばならない。歴代首相はこの問題での約束を順守せねばならない」と述べた。南アフリカのヨハネスブルグ大学のアフリカ・中国研究センター研究部のマタンボ主任は、「高市氏の発言はアジア地域、特に日本経済に極めて悪い影響を及ぼしている。国連の枠組みでの台湾問題の筋道は非常に明確で、中華人民共和国政府が中国を代表する唯一合法の政府であることが明確にされている」と述べた。さらにロシア科学アカデミー中国現代アジア研究所のキスタノフ日本研究センター長は、「高市氏は中国や他の近隣国に対して強硬な外交政策を推し進めると同時に、日本の軍事力拡張の路線を歩み続け、米国との軍事協力を強化し続けている。このことが、北東アジアないし東アジアの安定を破壊する」と述べた。

高市氏の誤った発言や行動が中国と日本の関係に深刻な衝撃を与えたこの時期に、日本の一部メディアは自ら選んだ政治的立場の中で迷走している。これら自らを「客観的で公正」と自画自賛する日本のメディアは、高市氏の言動を煽り立てる前に、日本国憲法、中日間の4つの政治文書、第二次世界大戦後の関連する国際条約を一読すべきだ。(CMG日本語部論説員)

11-28 11:31

更多精彩内容请到 KANKAN 查看