【観察眼】「突然現れる凄い結果」の背景にある中国の時間軸

CGTN

6月25日、チベット自治区初の電化鉄道であるラサ・ニンティ鉄道が、開通から5年を迎える。さらに7月1日には、青海チベット鉄道(青蔵鉄道)の全線開通から20年となる。

5年と20年。二つの鉄道の節目を並べると、中国を見るうえで、一つの興味深い視点が浮かび上がる。そこに至るまでに積み重ねられた時間である。

ラサ・ニンティ鉄道は2021年に開通した。建設は2014年に始まり、7年をかけて完成に至った。路線の9割以上が標高3000メートルを超える地域を走る。

一方の青海チベット鉄道は2006年に全線開通した。最初期の建設構想は20世紀半ばにさかのぼり、建設には長い年月を要した。標高4000メートルを超える地域を通るこの鉄道の建設は大きな挑戦でもあった。

こうした例は、鉄道に限らない。

新疆ウイグル自治区の天山勝利トンネルは2020年に着工し、2025年に開通した。中国の有人宇宙開発は1992年に始動し、神舟12号が宇宙飛行士を中国の宇宙ステーションに送ったのは2021年だった。宇宙ステーションという成果の背後にも、およそ30年にわたる技術開発と段階的な挑戦があった。

ジャーナリスト・富坂聰氏の『おそるべき「中国一強」時代』(小学館新書、2026年)の冒頭には、チベットの電力網の発展を目の当たりにしたインド人学者の言葉が紹介されている。

「あんなものを、彼らはいったいいつから作ってきたんだ」

「中国のやることはいつも突然凄い結果だけが目の前に飛び出してくる」

富坂氏自身も、これに続けて「思い当たる体験は私にもある」と記している。

同じような感想を抱く人は少なくないだろう。完成した鉄道やトンネル、電力網、宇宙ステーションだけを見れば、中国の変化はしばしば「突然現れた」かのように映る。しかし、実際に突然生まれたものはほとんどない。その背後には、構想、調査、技術開発、資金投入、建設、運用準備といった、外からは見えにくい時間軸がある。

中国では、五カ年計画が国家の発展目標を考える重要な節目となってきた。最初の五カ年計画は1953年に始まり、2026年からは第15次五カ年計画、いわゆる「十五五」の期間に入った。

5年ごとに方向性を示しながら、その先の10年、20年、あるいは30年を見据える。こうした長い時間軸で物事を捉える発想は、中国を理解するうえで見落とせない特徴の一つだろう。

もちろん、すべての計画が順調に進むわけではない。大型プロジェクトには、コストや採算性、環境への影響、地域社会との関係など、慎重に検討すべき課題もある。完成の規模だけでなく、誰にどのような利益をもたらし、どのような負担を伴うのかを丁寧に見ていく必要がある。

そのうえで、ラサ・ニンティ鉄道、青海・チベット鉄道、天山勝利トンネル、各地の電力網、そして宇宙ステーションが目指しているのは、ただ完成させることではない。人や物の移動を変え、地域の可能性を広げ、エネルギーや科学技術の基盤を高めることで、その後の暮らしや社会の選択肢を変えていくことだ。

いま目の前にある鉄道の構想は、10年前に始まっていたかもしれない。現在稼働する再生可能エネルギー基地は、前の五カ年計画の中で描かれていたものかもしれない。実際に、いま宇宙を飛ぶ宇宙ステーションの原点は、30年以上前にある。

中国を理解するためには、目の前のニュースだけを見るのでは足りない。完成したものの背後に、いつ構想が始まり、どれほどの準備が重ねられてきたのか。その長い時間軸に目を向けることが必要なのである。

06-24 16:31

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