【観察眼】高市氏の渾身の賭け 防衛費9兆円の予算成立がもたらす危機

CGTN

4月1日、日本では約2800品目の飲食料品が値上げされ、今年初の値上げラッシュを迎えた。昨年1年間で値上げされた飲食料品は2万品目以上となり、その数は2024年より約6割増加した。また、昨年の一般家庭のエンゲル係数(食費が家計に占める割合)は28.6%に達し、1981年以来の高値を記録した。しかし、今の日本政府の関心は、国民の食卓をめぐる苦境とはかけ離れたところにある。

4月7日、日本の参院本会議は2026年度予算案を可決した。防衛関係費は初めて9兆円の大台を突破し、過去最高を更新するとともに、防衛費の対GDP比2%という目標も前倒しで達成された。その内訳をみると、9700億円以上が巡航ミサイルの調達や12式地対艦誘導弾などの長距離ミサイルに充てられ、2773億円が無人機作戦システムに投じられるなど、攻撃的な軍事構想がますます鮮明になっていることがわかる。国民が物価高と伸び悩む賃上げにあえぐ中、政府は高価なミサイルに惜しみなく財源を投じている。「大砲」と「米」を載せた天秤は、すでに大きく傾いているのだ。

高市政権はこの巨額の防衛費を正当化する口実を見つけた。それは、軍備増強によって経済成長をけん引し、軍民両用技術の開発によって科学技術産業を活性化するというものだ。先月、日本で閣議決定された「第7期科学技術・イノベーション基本計画」では、「科学技術と国家安全保障の連携」および「デュアルユース(軍民両用)技術の推進」が初めて明記された。しかし、経済回復や技術発展の希望を軍需産業に託し、殺傷兵器の製造に成長の活路を求める発想は、本質的には「軍需景気」を求める危険な道につながる。日本の軍需産業は三菱重工など、一部の財閥系企業に集中している。巨額の発注は一握りの企業のもとに流れ込み、中小企業や一般市民への恩恵は期待できない。また、「科学技術と国防の連携」という政策転換は、戦後の日本学術界が長年守り続けてきた「軍事研究には関与しない」という倫理的規範を揺るがしかねない。本来は新エネルギーや半導体など、民間分野に向けられるべき資源が、軍事目的の研究に大量に転用されていくことになるだろう。

財政面での負担も深刻さを増している。このほど可決された2026年度予算案では、国債の元利償還に充てる「国債費」が初めて30兆円を超えて31兆3000億円に達し、歳出の約4分の1を占める最大の財政負担となっている。これは、日本政府が巨額の財政赤字を補填するために、歳入の4分の1を新規国債の発行に頼らざるを得ないことを意味する。日本政府の債務総額はすでに1300兆円を超え、GDPの2倍以上に達しており、主要先進国の中で最も高い水準にある。少子高齢化と労働力の減少が進む中、日本は軍拡と債務拡大の悪循環に陥りつつある。防衛費の膨張は民生を圧迫し、民生の疲弊は消費の足枷となり、景気が低迷する。政府はさらなる国債の発行を余儀なくされ、最終的には財政の強じん性が根底から失われることとなる。

国際社会がさらに警戒すべきは、「大砲」と「米」の間で迷走する国家は、地域の平和に大きな不確実性をもたらしかねないという問題だ。巡航ミサイル「トマホーク」の調達から極超音速兵器の開発まで、そして「航空宇宙自衛隊」の改編推進から武器輸出規制の緩和に至るまで、日本は「平和憲法」の制約から一歩一歩逸脱し続けている。この「再軍事化」の動きは東アジアの安全情勢に深刻な挑戦をもたらしている。このような行動は中日関係を損なうだけでなく、日本自身を地政学的問題の渦へと引きずり込むことになりかねない。

9兆円に上る防衛費は表面的には軍事的優位性を積み上げることができるかもしれないが、30兆円もの国債費がもたらす民生の空洞を埋めることはできない。軍需産業の一時的な繁栄は、経済構造の歪みや国民生活の困窮という現実を覆い隠すことはできない。政府が民生よりも軍事に資源を注ぎ、協力ではなく対立に精力を費やし続けるならば、行き着く先は財政崩壊、国民生活の疲弊、地域での孤立という三重の危機に陥ることになるだろう。(CMG日本語部論説員)

04-08 17:31

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