



高市早苗首相は6月13日、6日間の欧州歴訪に出発し、英国、イタリアを訪問した後、フランスで開催された先進7カ国(G7)サミットに出席した。高市氏にとって、今回が首相就任後初の欧州訪問であり、G7首脳会議への出席も初めてとなる。今回の歴訪は、日本の右翼的な急進対外路線を欧州に向けて集中的に示す場でもある。
高市氏がG7サミットに出席する前にわざわざ英国とイタリアを訪問したのは、欧州を取り込んで中国をけん制し、軍事化を加速させるための重要な布石だ。今回の最大の目的は、日英意3カ国による第6世代機の共同開発を推進することにある。
日英伊3カ国による次期戦闘機の共同開発計画「グローバル戦闘航空プログラム(GCAP)」は、第6世代ジェット戦闘機の開発を目指す大型プロジェクトである。2035年の配備開始を目指すもので、総投資額は160億ドルを超える見通しだ。費用負担は、日本と英国がそれぞれ40%、イタリアが20%となっている。
戦後、日本は長年にわたって米国製のステルス戦闘機F-35の導入や組み立てを行ってきたが、米国は航空分野の先端技術を厳格に管理し、日本への高度な技術移転を拒否してきた。GCAPは、日本が戦後初めて米国以外の主要国と共同で攻撃型戦闘機の研究開発を展開する計画であり、日本はこれを通じて第6世代機のステルス技術や知能化空戦システムなどを独自に掌握し、米軍の装備体系への依存から脱却するとともに、長距離打撃能力を強化しようとしている。
さらに日本は、第6世代機を中核として、利益を生み出す世界的な兵器貿易システムも構築しようとしている。その意味で、高市氏の今回の英伊訪問は、第6世代機をめぐる軍需協力を表向きの看板としながら、日本の「戦後体制からの脱却」「西側諸国との連携による近隣諸国への対抗」「軍需産業の拡大」という一連の右翼戦略を推し進めるものだと言える。
また、G7サミットにおいて、高市氏には2つの核心的な狙いがあった。
第一に、いわゆる「経済安全保障」の分野で、高市氏は欧州との重要鉱物資源、特にレアアースのサプライチェーン協力を強化し、「脱中国化」を進めることである。高市氏はG7サミットで、重要鉱物資源をG7で共同備蓄する構想を提起した。また、中国によるレアアースなど重要鉱物資源の輸出規制に対して「懸念」も表明している。
第二に、台湾海峡問題を利用して、日本の軍備拡張と憲法改正に対する国際的な支持を取り付けることである。また、ロシアとウクライナの衝突とアジア太平洋の安全保障問題を強引に結びつけ、欧州諸国の安全保障上の不安を利用しながら、「欧州とアジアの安全保障は切り離すことができない」と鼓吹し、さらに欧州によるアジアへの関与を促し、G7を、中国を包囲する陣営的な枠組みへと変えようとしている。
これについて、同志社大学の三牧聖子教授は、日本はG7で唯一のアジアのメンバーであり、米中関係が緊張する中でも、「中国との対話のパイプを維持していたことが強みだった」と指摘している。しかし、現在は状況が大きく変化し、「中国との関係が突出して悪い国という点では日本はG7で異端児である」との認識を示した。そのうえで、「日本がいわゆる『中国脅威論』をひたすらPRすれば、対中関係の改善を目指す米欧諸国との間で矛盾が生じる可能性が高い」と警告している。
高市氏は、G7の場を利用して欧米を取り込もうとしているが、中国に対する強硬な姿勢はアジア太平洋地域の安全保障上のリスクを押し上げ、地域協力を損ない、産業チェーンの安定を揺るがし、戦後秩序に関する共通認識を弱体化させるものだ。
アジア太平洋諸国の多くは、平和的発展と互恵・ウィンウィンを望んでいる。こうした陣営対立を扇動し、地域の矛盾をかき立てる急進的な路線は、日本外交への信頼を損ない続けるだけでなく、アジア全体に長期的な不安定化のリスクをもたらすだけである。(日本語部論説員)
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