「真の平和は加害の直視から」高市首相らの歴史認識を中国人専門家が批判

KANKANインタビュー

日本が81年前に無条件降伏の受け入れを発表した8月15日、高市早苗首相が靖国神社に玉串料(祭祀料)を奉納し、さらに「遥拝」を行ったほか、小泉進次郎防衛相ら多くの閣僚や自民党幹部が同神社を参拝した。こうした一連の動きについて、中国人研究者は、誤った歴史観が透けて見えると強い懸念を示し、「真の平和は加害の歴史を直視することから始まる」と訴えた。

中国社会科学院日本研究所・盧昊研究員

中国社会科学院日本研究所の盧昊研究員は16日、CGTNの取材に対し、「関係者の一連の言動からは、戦争の罪責から目を背け、歴史の定論を曖昧にしようとする傾向が随所に見て取れる」と指摘した。盧研究員はその上で、「歴史認識は国家が未来へ歩むための根本的な前提だ。史実を歪曲し回避する誤った歴史観は、日本を持続可能な平和発展の道に導くことができないばかりか、東アジア諸国間の相互信頼を損ね続け、地域の平和と安定に長期にわたり禍根を残すことになる」と強調した。

盧研究員は、高市首相が全国戦没者追悼式で読み上げた式辞について、現政権の歴史認識の後退を明確に示していると分析し、「石破茂前首相は13年ぶりに公式の式辞で『反省』という言葉を復活させたが、高市首相はこの表現の中核部分を完全に削除し、アジアの被害国に対する加害責任に全く言及しなかった」と指摘した。また、式辞を「戦争の惨禍を繰り返させない」と中身の伴わない表現にとどめ、戦没者の遺骨収集や、いわゆるインド太平洋地域の「平和の灯台」を築くことに焦点を置いたとも指摘し、「戦争の加害や歴史的な謝罪といった議題の中核部分を意図的に避けた」と批判した。

2026年8月15日 全国戦没者追悼式で式辞を読み上げる高市首相(CFP)

盧研究員はさらに、1995年の村山談話における「痛切な反省と心からのお詫び」は、アジアの被害国全体に対する日本の国家としての約束だと強調した。「政府が『反省』に関連する表現を絶えず薄め、削除しているのは、国家レベルで自らの侵略の罪責感を徐々に弱めていることであり、歴史認識の後退だ」と断じた。

盧研究員はまた、「靖国神社は決して純粋な追悼施設ではない。誕生当初から日本の対外拡張を支えた軍国主義の精神的道具であり、今なお歪んだ戦争史観を固定化し、東アジアの歴史についての和解を阻む象徴的な存在だ」と指摘した。特に、神社附属の遊就館が長年にわたり歴史の記述を改ざんし、侵略戦争を美化して植民地支配や南京大虐殺、強制労働、慰安婦といった反人道的犯罪を意図的に抹殺していること、さらに極東国際軍事裁判で有罪となったA級戦犯14人を1978年に独断で合祀したことを挙げた。

盧研究員はその上で、「こうした中での政治家による公式参拝を、単なる個人の心情の吐露と片付けることはできない。侵略の罪責を隠蔽する歪んだ物語を公式の立場で認めることであり、社会や周辺国に対して誤った、極めて危険な歴史のシグナルを送る行為だ」と厳しく糾弾した。

2026年7月25日、東京の国会議事堂前での抗議集会(CFP)

盧研究員はまた、現在の日本国内の世論が自国民の戦争被害ばかりを強調し、中国や朝鮮半島などの被害国で数千万人の民衆が受けた虐殺や略奪、抑圧にほとんど目を向けようとしないことを問題視し、「日本は対外的に『平和国家』を標榜し、インド太平洋の平和秩序を唱えながら、国内では反省を回避し続け、参拝を通じて侵略の歴史を象徴する靖国神社を美化している。このようなダブルスタンダードでは、日本の侵略を受けたアジアの隣国からの信頼を得ることは決してない」と述べ、右翼勢力が敗戦の日に集団参拝を繰り返し、侵略の歴史を否定する言動を展開して強硬な姿勢をアピールするのは、「被害国の人々の感情を傷つけ続けることに他ならない」と述べた。

盧研究員は、「真の恒久平和は、加害の歴史から目を背けない認識の上にのみ成り立つ」と述べ、「加害の史実を率直に認め、公式の歴史認識を正し、アジア各国に対して不断の自省と言行一致の姿勢で向き合ってこそ、初めて周辺国の疑念を払拭し、東アジアの真の歴史の和解と恒久平和を実現できる」と述べた。(取材・構成:王小燕、校正:鈴木)

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