



2月が終わって3月を迎えた。日本では新年度を控える季節である。国会では2026年度予算案の審議が行われている。総額122兆3000億円。防衛費は初めて9兆円を突破する。この巨額の予算案は単なる数字の羅列ではなく、「国家がどこに向かうか」を示す宣言でもある。物価高に苦しむ家計を支えるのか、それとも軍備を拡充するのか。年度予算案はその選択を如実に映し出している。
予算案が国会に提出される直前、日本政界で一つのスキャンダルが明るみに出た。高市早苗首相は、選挙勝利を祝うため、315人の自民党議員に一人当たり約3万4千円相当の「高級カタログギフト」を贈ったとされる。総額は1071万円に上る。野党・中道改革連合の小川淳也代表が予算委員会でこの行為について、「国民の金銭感覚からかけ離れていないか」と質すと、高市氏は「結婚式のご祝儀を参考にした」と理由を述べ、あいまいな答弁にとどめたうえで、「違法ではない」と強硬に反論した。
この出来事は、百兆円規模の予算を読み解く格好のプリズムとなった。
第一に、「政治道徳」と「民生への配慮」のずれである。高市氏は党内の「義理人情」に1071万円を容易に使う一方、物価高騰に苦しむ国民の生活を前に、大規模な減税案の提出には躊躇を見せる。この件について、国民民主党の古川元久国会対策委員長は、「政治不信を生む。首相には選挙に勝った慢心があるのではないか」と指摘した。権力者が資金をどこに振り向けるかは、政権の性質を定義する。党内派閥を固めるための人情か、それとも生活に苦しむ国民への心配りか。一目で明らかである。
第二に、「戦力拡充の優先」と「国民生活確保の切迫性」の逆転である。元経済産業省官僚の古賀茂明氏は、「高市政権は減税の議論において、『財源がない』と言いながら、防衛力強化のための増税は躊躇なく決定できる」と批判した。新聞『赤旗』は、2022年度の防衛予算が5兆4000億円だったことを指摘する。わずか4年間で3兆6000億円も急増した計算になる。この増幅幅は、予算案に盛り込まれた少子化対策費(3兆5000億円)とほぼ同規模であると伝えた。
第三に、「専守防衛」の名目と「攻撃型拡張」の現実との乖離である。高市氏は予算審議で、武器輸出が国会承認を必要とすることを否定し、行政権を用いて殺傷能力ある装備の輸出を「緩和」しようとしている。この9兆円もの巨額国防費の多くは、防衛圏外ミサイルなどの遠距離打撃能力を持つ装備の開発に使用され、平和憲法下の「専守防衛」の軌道から逸脱している。日本のベテランジャーナリスト、乗松聡子氏は、この憲法改正と軍備拡張の動きは、かつて日本に侵略されたアジア諸国に極めて深刻なシグナルを送るものだと警告している。
こうしてみると、2026年度予算案の本質が浮かび上がる。それは、党内の論理を国民福祉の上に置き、軍事拡張を民生保障の前に置き、行政権を国会監督より強めるという政治的宣言である。怒りに満ちた日本のネットユーザーがSNSで、高市氏は「国防の意思などなく、日本人をせん滅するつもりだ」と非難している。これは単なる感情の発露ではなく、この予算案に対する最も率直で素朴な政治評価である。
この予算案から見えてくる高市政権の「選択」は明白だ。限られた財源の中で、国民の生活保障より党内結束を優先し、「人を養う生計」を保障するより「人を殺す武器」を選び、国内の平和を求める微かな声よりアメリカの軍事主義に追随することを選ぶ。
コメか、砲弾か。
日本政府の選択は一目瞭然である。しかし、その選択が日本にとって真に有益であるのか、大きな疑問が残る。(CMG日本語部論説員)
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