


日本の自民党は2月8日に投開票が行われた衆議院選挙で316議席を獲得し、定数465議席の3分の2超を単独で突破しました。多くの中国の学者はこの結果が、日本の戦後政治が最も深刻な不均衡状況に陥ったことを物語るものと受け止め、高市早苗氏の政権基盤が強固となることによる、日本の今後の政策動向や中日関係への影響をしっかり注視すべきだと指摘しています。
■圧勝も自民党支持層の拡大を意味せず
清華大学・劉江永教授
清華大学の劉江永教授と中国社会科学院日本研究所の孟明銘助理研究員は9日、中央広播電視総台(チャイナ・メディア・グループ/CMG)日本語部の取材に対して、「自民党の勝利は想定内だったが、316議席もの圧勝には驚いた」と述べました。
劉教授は圧勝の背景について、自民党は裏金や統一教会問題といった弱点を回避したことと、国民の暮らし向きを改善するという訴えや、「日本列島を強く、豊かに」というスローガンは有権者にとって魅力的だったと指摘しました。また、選挙前の7割超の内閣支持率という「高市旋風」も貢献したとの見方を示しました。さらに、立憲民主党と公明党が連携して結成した中道改革連合が、時間が極めて限られていたために、掲げた「中道」路線が有権者の理解と支持を得られず大敗したことも、自民党が圧倒的な勝利を収めた重要な要因の一つと指摘しました。
中国社会科学院日本研究所・孟明銘助理研究員
孟助理研究員は、選挙前の各社の情勢調査ではいずれも、自民党の支持率は3割強に留まっていたことから、自民党が圧勝したことは支持層が大きく拡大したということよりも、野党の力が大幅に衰退したことを反映したものだった点に注目しています。孟助理研究員は、高市政権は発足以来、欧米のポピュリズムを手本に対外強硬路線を打ち出し、外国人対策を強化し、インフレや経済の低迷から生じた国民の不満を的確に捉え、勝利のための民意の基盤を形成したと指摘しました。
また、劉教授と孟助理研究員はいずれも、自民党圧勝の外部要因として、米国のトランプ大統領が選挙直前に高市氏を公に支持する発言をしたことで、無党派層の多くを自民党支持へと後押ししたと指摘しました。
■絶対安定多数の政権運営に不確定要素も
日本の今後の政策動向について、研究者2人はいずれも、高市氏が3分の2議席を掌握したことで、強硬な防衛政策が採択される上での障壁が大幅に減少し、防衛費の対GDP比の2%ひいては3%への引き上げや、憲法改正による自衛隊の国軍化などの実現の可能性が高まったとの見方を示しました。ただし、孟助理研究員は、日本には経済成長の低迷や逼迫(ひっぱく)した財政事情という抑制要因もあるので、防衛費の大幅増額では資金源が喫緊の課題となり、高市氏の行き過ぎた政策は国内世論の反発を受ける可能性があると、不確定要因の存在を指摘しました。劉教授は、高市政権が国家主義的な右翼的政策の立法を一気に推進する可能性はあるが、憲法改正の目標実現は短期的には困難であり、さらには、日本国内には平和発展を主張する民間の力が依然として存在していると指摘しました。
■中日交流の難しさが増すも関係改善を期待する民間の力も健在
孟助理研究員は今後の中日関係への影響について、高市氏の政治的発言力が強まり、日本国内でのけん制が少なくなり、今後は中日間の敏感な問題で日本側が強硬姿勢を取る可能性が高まると分析しました。また、自民党内で対中強硬派が主流となり、ポピュリズムの風潮が今後も高まるので、中日間の交流は一段と難しくなるとの見方を示し、中国としては、自らの足元をしっかり固めることに専念し、高市氏の言動をしっかりと観察し、一線を越えた動向があった場合には、対等に対抗措置を講じることになるだろうとの展望を示しました。
劉教授は、中日関係に困難が生じる可能性はあるものの、両国には2000年に及ぶ交流の歴史があり、また、国交正常化後に築かれた深い交流の基盤や人脈もあるとして、日本には日中関係の改善を期待する民間の力が依然としてあることに注目すべきだとも指摘しました。(取材・記事:王小燕、校正:鈴木)
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