中国の科学者 宇宙最古の恒星の痕跡を発見

KANKAN

中国の郭守敬天体望遠鏡(LAMOST)

中国の科学者がこのほど、長年にわたる研究の成果として、超大質量の第一世代恒星の化学的痕跡を世界で初めて発見しました。宇宙最古の恒星の存在の証明と見られています。関連する研究成果は、7日付の国際学術誌「ネイチャー」に掲載されました。

中国科学院国家天文台の科学研究チームは第一世代恒星の謎を解明するために、中国北部の河北省興隆に設置された国家重大科学インフラ施設である郭守敬天体望遠鏡(通称:LAMOST)を利用して研究を続け、LAMOSTにより観測した数百万以上の恒星のスペクトルから、地球から3327光年離れた銀河系の星間物質の中に質量が太陽の0.5倍の恒星が存在することを確認しました。この恒星の金属含有量は極めて少なく、第一世代の恒星が死んだ際にまき散らした元素からできた第二世代星の理論上の特徴に合致することが分かりました。

中国科学院国家天文台の邢千帆副研究員によれば、LAMOSTが観測した500万以上の恒星のスペクトルから、金属元素であるマグネシウムの含有量が最も少ない恒星ひとつを確定し、その高解像度スペクトルを得ました。そのスペクトルを「超新星」理論のモデルを適用して計算値比較をしたところ、含まれる元素は質量が太陽の260個分の第一世代星に由来するものと推定できたということです。

第一世代恒星が第二世代恒星を育む状況の想像図

第一世代の恒星は、質量が太陽の140倍~260倍ある超大型の宇宙最古の恒星とされています。この種の恒星は130億年前の宇宙誕生の初期に存在していましたが、寿命はわずか300万年ぐらいで、その後は超新星爆発を起こして第二世代恒星に生まれ変わりました。

邢副研究員は、今回の科学研究は現存する第二世代恒星の“DNA”を研究することで、その父の世代の特徴を見出す作業だったと説明しました。第一世代恒星は“子ども”として多くの第二世代恒星を生みましたが、それらの“子ども”の中で最長寿の恒星は、寿命は130億年に達した現在も生き残っています。中国の科学者はこの長寿星を発見し、その研究を通して、さらに上の世代の恒星の質量や性質を推定できたとのことです。(Lin、鈴木)

2023-06-08

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