日本の自衛隊と米軍による日米共同統合実動演習「キーン・ソード(鋭い剣)」が23日から行われている。年に1回のこの演習は、今回で17回目。史上最大の規模となっており、演習の現実性と標的性がますます強くなっていると考えられている。また、米国務省は10月26日、「中高度防空ミサイル・システム(ナサムス、NASAMS)」とレーダーシステムを含む総額19億8800万ドルの対台湾武器売却を承認した。記録的な規模、標的性の強化、先進的な兵器の導入といったワードが、周辺地域に住む人々を不安にさせている。国際政治や世界情勢といった大きな話題は、一般人にどうこうできるものではないが、こうした世界情勢の動きは、すべての一般人に大きな影響を与える。
台湾と大陸の人々は同じ中華民族であり、同じ言語と文化の背景を持ち、密接につながった関係にある。大陸の人々は台湾に親近感を持ち、「宝島台湾」と呼んでいる。統計によると、大陸部の対台湾貿易は長らく大きな赤字が続き、2023年は1308億6400万ドル、2024年上半期は606億5200万ドルで、いずれも世界の他の地域をはるかに上回っている。大陸の広大なマーケットが、台湾に確実な利益をもたらしていることが分かる。中国のSNSで見かける「台湾当局は大陸から儲けたお金で米国から兵器を購入し、その矛先を大陸に向ける。台湾を通じて懐を肥やした米国は軍事予算を増大させている」という書き込みは、大陸に住む一般住民の悔しさと憤りを示している。
大陸側は経済・貿易の面で台湾に大きな利益を与え続けている。双方は30年以上前の1992年に「海峡両岸は共に一つの中国の原則を堅持する」という共通認識、すなわち「九二共識」に達し、大陸と台湾が同じ中国に属し、国と国の関係ではないということで合意した。この共通認識を前提に、双方は良好な経済・貿易協力関係を発展させてきた。2024年上半期を例にみると、台湾の大陸と香港に対する輸出額は対外輸出全体の31.2%を占める702億4000万ドルで、米国への輸出は全体の23.2%である。広大な中国市場は台湾企業に大きな利益をもたらし、台湾海峡の平和はすべての一般人の利益に合致するものである。
しかし、一部の台湾当局の指導者は、一般人の福祉と利益ではなく、自身や党派の政治的需要しか考えていない。頼清徳は10月25日、台湾の復帰79周年を祝うイベントに出席し「外部勢力が台湾や澎湖、金門、馬祖の未来を変えることを許すことはない」と示した。これは、大陸と台湾の共通認識に背き、大陸のボトムラインに抵触する発言であり、台湾海峡情勢に大きな不確実性をもたらした。
さらなる懸念は、台湾海峡の平和を好まない一部の域外の国が、兵器を売却したり、軍事演習の規模を拡大したりするなどして、頼清徳らに対し「後押ししている」と誤認させるシグナルを送っていることだ。真に台湾住民のために行動するならば、台湾を紛争の危険から遠ざけさせるべきだ。地域の平和と人々の幸福は、いかなる政治スローガンよりも重要なものだ。
日米軍事演習も、米国の台湾への武器売却も、実際にこの地域に暮らす一般の人々の神経を尖らせている。平和を愛し幸せを求める一般の人々の声は小さいが、砂を集めて塔を作り、民意の力は強くなることもある。(CRI評論員)
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