【観察眼】米国が新型コロナワクチンを大量廃棄 大恐慌時の「牛乳廃棄」再び

KANKAN
06-09 16:30

米NBCが6日に米疾病対策センター(CDC)の統計データを引用して伝えたところによると、2020年12月から今年5月中旬までに、米国各地では連邦政府による配布量の11%を超える約8210万回分の新型コロナウイルスワクチンが捨てられたということだ。ワクチン浪費の主な原因は、期限切れや不適切な保管、過剰生産などである。

一方、世界保健機関(WHO)の統計では、低所得国では5月22日時点で約10億人が新型コロナワクチンの接種を受けていない。完全接種率が70%(WHOが定めた世界全体の接種目標)に達している国は57カ国に過ぎず、高所得国が大多数を占めていることが分かった。

余ったワクチンを捨てることはあっても、低所得国に贈ることはない。これは1920年代末から30年代初頭にかけて続いた米国の大恐慌期間のある光景を彷彿とさせる。当時、過剰生産された牛乳が大量に廃棄される現象が見られ、利益優先という資本主義の本質を露呈した。なぜ余った牛乳を貧しい人たちにあげてはいけないのか。それは儲からないばかりか、逆に貯蔵や輸送、人件費にお金を出さなければならないからである。

ワクチンも同様だ。米保健福祉省は、「輸送や保管温度などの影響で、米国各州の余ったワクチンを他国に再配分することは実行不可能」との見解を示している。彼らの言葉を分かりやすく訳せば、「損や苦労はしたくない」ということであろう。

もちろん、米国が他国に新型コロナワクチンを全く寄贈していないわけでもない。昨年6月、在トリニダード・トバゴ米大使館が「米政府はファイザー製ワクチン80バイアル(瓶)をトリニダード・トバゴ政府に寄贈した」と誇らしげに宣言した。しかし、1バイアルには5~6人分しか入っていないため、米国から贈られたワクチンの数は500回分未満である。ちなみに、トリニダード・トバゴの人口は140万人を超えている。

米国には「気前がいい」時もある。フィリピンのドゥテルテ大統領は昨年8月、米国から300万回分の新型コロナワクチンが贈られたことを明らかにした。ただ、ドゥテルテ大統領は、「これは両国間の取引の結果だ。それと引き換えに、フィリピンは米軍の駐留を認めた『訪問米軍に関する地位協定』を維持する」と付け加えていた。

米国の寄付には条件が付かないものもある。ただ、米ニューヨーク・タイムズ紙が報道しているように、「米国が他国に寄付したワクチンの一部は期限切れ寸前のもので、被援助国や地域に困惑をもたらしている」という。

新型コロナにより、これまでに世界で630万人以上が死亡した。もっと早くワクチンを接種していれば、彼らの多くは今も元気に生きていたかもしれない。多くの尊い命がワクチン接種によって守られていたはずであった。残念ながらこのことは、「人権至上主義」を唱えながら自国の利益だけを考え、ワクチン供給でも計算ずくな米政府は、分からないどころか、分かろうともしないようである。(CRI日本語部論説員)

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