【観察眼】協力・ウィンウィンこそが人類文明の進歩の正道である

CGTN

2013年、習近平国家主席がカザフスタンを訪問した際、こんな感動的な逸話を語った。

1940年、中国国歌も作曲した中国の著名な作曲家・冼星海は、紆余曲折を経てカザフスタンのアルマトイにたどり着いた。見知らぬ異国の地で、貧困と病にさいなまれていた彼に、カザフスタンの音楽家・バイカダモフが手を差し伸べ、温かい家を提供した。その後、冼星海はここで、『民族解放』『神聖なる戦い』など数々の名作を創作し、カザフスタンの民族の英雄の物語をもとに、交響詩『アマンゲルディ』を作曲した。冼星海生誕104周年に際し、カザフスタンはアルマトイに彼の記念碑を建立し、通りには、冼星海の名前を冠して「冼星海通り」と命名された。一方、中国の河南省には、バイカダモフの名を冠した通りが存在する。こうしたエピソードは、中国とカザフスタンをはじめとする中央アジア諸国の民間交流と深い友情の象徴であり、他にも多くの心温まる物語が語り継がれている。

6月、ザクロの花が街頭に咲き誇るカザフスタンの首都アスタナで、第2回中国・中央アジアサミットがまもなく開幕する。中央アジアの文明の歴史と現代的な活気が息づくこの都市で、中国と中央アジア5カ国が手を携え、運命共同体の建設に向けた新たな段階に進まんとする姿を目の当たりにしている。第1回サミットが開催された中国の西安から、カザフスタのアスタナへとつながれたバトンは、千年にわたるシルクロードの絆を現在に継承し、地域協力の新たなビジョンを描き出している。

2023年に開かれた第1回サミットで元首会談メカニズムが確立されて以来、中国と中央アジアの協力は、経済・貿易、交通、エネルギーなど17の分野にわたる閣僚級協力メカニズムを形成し、多層的な協力の枠組みを構築してきた。元首外交のリーダーシップの下、サミットで合意された成果リストは、着実に具体的な行動へと移されている。2024年、中国と中央アジア諸国の貿易総額は948億ドルに達し、過去最高を記録した。

産業連携の幅と深さも同時に増している。交通分野では、中国、キルギス、ウズベキスタンの3か国を結ぶ鉄道や、中国、タジキスタン、ウズベキスタンを結ぶ道路の建設が加速し、定期的に運行されている中国と中央アジア5カ国、西アジア、南アジアなどを結ぶ高速列車「中央アジア班列」が立体的な物流網を形成した。農業分野では、技術訓練拠点を共同で設置し、節水かんがいや病害虫対策技術の普及が進んでいる。デジタル経済分野では、人工知能(AI)やスマートシティの協力プロジェクトが始動し、甘粛省にある国立研究機関・敦煌研究院の専門家が中央アジア諸国での文化遺産のデジタルアーカイブを行っている。

人文交流は、人々の心の通じ合いから、文明同士の融合と相互参考へと進んでいる。中国-中央アジア国際人文観光特別列車は「動く文化の回廊」となり、カザフスタンの「中国観光年」や中国の「ウズベキスタン観光年」は観光熱を喚起している。中国の慈善医療プロジェクト「健康快車」の一環である中国とタジキスタンの防盲(失明予防)協力センターが、タジキスタンの眼病患者に回復への希望の光を灯している。古代のシルクロードから現代のデジタルシルクロードへと至る道のりの中で、文明が相互に学び合うという歴史の遺伝子が、新時代において新たな命を誕生させている。

ウクライナ危機やパレスチナ・イスラエル衝突が続く中、中国と中央アジア諸国はサミットを通じて協力を深め、動揺する世界に安定の力を注入している。共に話し合い、共に築き、共に分かち合うという原則を堅持し、陣営対立を持ち込まず、排他的な条項も設けない——こうした姿勢は、グローバルガバナンスにおける新たなモデルを提示するものだ。このような協力は、キルギスの学者が評した「ユーラシアにおける新しい多国間協力のかたち」なのである。

およそ2100年前、中国の漢の使者、張騫が使節として当時、西域と呼ばれた中央アジアに赴き、欧州とアジアを東西に結ぶシルクロードが築かれ、中国と中央アジア諸国の友好往来の扉が開かれた。その歴史を受け継ぎ、今日の中国・中央アジアサミットは、千年にわたるシルクロード精神の伝承と、新たなかたちの国際関係の構築の実践を体現したものだ。西安からアスタナへ——中国と中央アジア諸国は実践を通じて、協力・ウィンウィンこそが人類文明の進歩の正道であることを示している。この古くして若き大地は、協力とウィンウィンの光の下、より輝かしい未来を切り拓いていくだろう。(CMG日本語部論説員)

06-16 17:51

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