【観察眼】海は語らない しかしすべてを覚えている

CGTN

6月8日は世界海洋デー。今年のテーマは「人類と海の新たなバランスを築く」だ。新たなバランスが求められる背景には、従来のバランスがすでに崩れてしまったという現実がある。

海は地球の酸素の半分以上を生み出し、10億人以上の人々にタンパク質源を提供している。しかし現在、年間800万~1000万トンのプラスチックごみが海に流入し、海洋魚類の約35%が乱獲に直面し、海水の酸性度は産業革命前より約30%も上昇している。海は深刻な病に冒されながら、なおも被害を受け続けている。その加害者が誰であるかを、国際社会はよく分かっている。

今月1日、日本の東京電力は福島第一原発の放射能汚染水の通算20回目となる海洋放出を開始した。今回の放出は19日まで続き、放射性物質トリチウム約1兆3000億ベクレルを含む約7800トンの汚染水が太平洋に流される予定となっている。日本が2023年8月に放射能汚染水の海洋放出を強行して以来、これまでに約15万トンもの放射能汚染水が海に拡散された。しかし、これはまだ放出計画全体のごく一部に過ぎない。放出は30年続くとされ、海に放出される汚染水の総量は130万トンを超える見通しだ。

日本は国際原子力機関(IAEA)の報告書を、海洋放出の「お墨付き」であるかのように利用している。しかし同報告書は「日本の海洋放出政策に対する推奨でも支持でもない。IAEAと全加盟国は、本報告書の利用によってもたらされる、いかなる結果に対しても責任を負わない」と明記しており、日本はこの点を意図的に無視している。

また、日本は放射能汚染水を「処理水」と呼び、「安全で無害」だと主張している。しかし、地層注入など、より穏当な陸上処理案を選択しない理由については、十分な説明をしていない。「処理水」が本当に安全であるならば、国内の農業・工業・生活用水に利用することも可能なはずだ。しかし、日本はそうした選択をせず、リスクを海へ、そして全人類へと転嫁する道を選んだ。海洋放出はこれまでに20回を重ねている。日本は「ゆでガエル」方式で、その無責任な行為を国際社会に受け入れさせようとしているのだ。

日本は長期にわたり「科学調査」の名のもとに、公海や近海で大規模な捕鯨を続けており、国際社会から長年、非難を受けている。しかし、日本は自制するどころか、捕獲対象となるクジラの種類を拡大し続けている。ミンククジラ、ニタリクジラ、イワシクジラの3種の小型鯨類に加え、近年はシロナガスクジラに次ぐ世界第2位の大型鯨類であるナガスクジラも捕獲対象に加えた。また、和歌山県太地町などで行われるイルカ漁についても、国際社会から「残酷な大量捕殺」だとして批判されてきたが、日本政府はこれを「地域の伝統文化」だとして擁護してきた。

日本が放射能汚染水の海洋放出や捕鯨問題によって国際社会の懸念を引き起こしているのに対し、中国は海に新たな活気をもたらすための取り組みを着実に推進してきた。

1995年の夏季禁漁制度の導入以来、中国は禁漁期間の延長や禁漁エリアの拡大を重ね、制度面からも漁業資源の持続可能な開発を確保してきた。また、『海洋環境保護法』を改正し、海洋への汚染物質排出については、排出口の設置、情報登録、監視、管理などを明確に規定し、不法投棄を厳しく取り締まるとともに、海洋生物多様性の保護を強化している。

さらに中国は、マングローブ、海草藻場、サンゴ礁、沿岸地域の塩性湿地などの海洋生態系および重要な河口、干潟、浅海域、希少絶滅危惧種の生息地などを含む、総面積約15万平方キロメートルの海洋生態保護レッドラインを画定している。

「海岸の守り人」とも呼ばれるマングローブは、高潮を防ぎ、生物多様性を守るための重要な自然の防壁である。2025年6月末時点で、中国のマングローブ林の総面積は3万300ヘクタールに達し、今世紀初めより約38%増加した。世界でマングローブ面積が減少するなか、中国は増加を実現した数少ない国の一つとなった。同年発表の「中国生態保護レッドライン青書」によると、中国のマングローブ林の総面積は2022年のレッドライン画定時より22%増、生きたサンゴのカバー率は平均5.5%増、海草のカバー率は平均9.4%増となっている。

中国は世界の海洋ガバナンスにも積極的に参加している。「国連公海等生物多様性協定(BBNJ協定)」では、署名受付初日に同協定に署名し、最初の署名国の一つとなった。また、国際マングローブセンターの設立を働き掛け、北西太平洋行動計画にも積極的に参加している。さらに、周辺国と連携しながら、海洋ごみの回収・処理や海洋生物多様性のモニタリンングを行い、公平かつ合理的で協力・ウィンウィンを基調とする海洋ガバナンス体制の構築を推進している。

海は語らないが、すべてを覚えている。今日、海に流されたものは、明日には誰かのコップや茶碗に入り、やがて人々の体の中に入る。自らの利益のために地球の生態系を損なうような近視眼的な行為は、最終的には自分自身に、そして人類全体に深刻な禍をもたらす。人類と海の新たなバランスを築くことは、もはや選択肢の一つではない。各国が真剣に向き合い、直ちに行動に移さなければならない、待ったなしの問題なのだ。(CMG日本語部論説員)

06-08 16:36

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