


近頃、日本のメディアでは、中国製の人型ロボットが日本各地で実証実験に参加している様子が相次いで報じられている。ユニツリー(宇樹科技)の「G1」や「H1」、UBテック(優必選科技)の「Walker E」などが導入され、病院での案内や夜間の見守り、羽田空港での貨物運搬、日本最高層ビル「トーチタワー」の建設現場での巡回など、多様なシーンで活用が始まっている。
深刻な人手不足という現実的な課題に直面する中、日本企業の一部は極めて実務的な姿勢で中国製ロボットの導入を進めている。中でも注目すべきは、自律型人型ロボットの建設現場での本格活用は、中国国内でもまだ限定的な段階にあるという点だ。「中国生まれ、日本育ち」の「共創」によって、G1などのロボットは現在、日本の社会課題の解決に向けた取り組みを始めている。こうした試みが成功すれば、将来的には世界へ広がる可能性も十分にあるだろう。
人型ロボットサミットでユニツリーの人型ロボット「G1」のデモンストレーションを行う出展者(2026年5月29日、東京)
奇しくも、先月北京で閉幕した第4回中国国際サプライチェーン促進博覧会でも、こうした「共創」の姿勢が強く打ち出されていた。パナソニックホールディングスの中国・北東アジア総代表の中山正春氏は、同社の「China for Global(中国で世界のために)」戦略を改めて強調した。中国のサプライチェーンが持つスピードとコスト競争力を活かし、中国で研究開発した製品を国内市場だけでなく、日本や東南アジアにも展開する取り組みを進めているという。また、素材大手AGCの中国総代表である湯山空樹氏は、「中国には事業を拡大するためのヒト、モノ、カネ、そして技術がすべてそろっている。中国企業との『共創』の時代はすでに始まっている」と、最前線に立つ者としての実感を語った。
第4回中国国際サプライチェーン促進博覧会の会場(2026年6月24日、北京)
多くの日本企業が注目しているのは、中国が短期間でさまざまな分野を世界トップレベルに押し上げた点である。技術開発と製品改良のスピード、いわゆる「チャイナ・スピード」は目を見張るものがあり、日本企業が今後もグローバル市場で勝ち残っていくためには、中国企業との提携や共創が不可欠であるとの認識が広がっている。つまり、多くの日本企業は、中国を「低コストの工場」から「技術共創のパートナー」へと再定義し始めているのである。
こうした変化の背景には、日本の少子高齢化による深刻な人手不足がある。建設業を例に取ると、技能者数はこの20年間で24%減少し、55歳以上が全体の37%を占めている(総務省労働力調査)。一方で、日本は量産型人型ロボットを国内だけで十分に供給できる状況にはない。中国製ロボットの導入は、コストパフォーマンスを重視した極めて現実的な選択でもある。
もう一つの背景は、両国の強みを生かした相乗効果だ。AI・ロボット分野では、「日本の現場(シーン)×中国のハードウェア」という新たな協力モデルが生まれつつある。実際、ユニツリーの「G1」の販売価格は約8万5000元(約203万円)に抑えられており、日本の空港スタッフの半年分の人件費にも満たない。この圧倒的なコストパフォーマンスが、双方の産業エコシステムの融合を後押ししていると言えるだろう。
注目すべきは、6月下旬に日本の複数の経済団体が訪中したのに続き、この秋には日本国際貿易促進協会、関西経済連合会、大阪商工会議所などが、さらに規模の大きい訪中代表団を派遣する予定になっていることだ。関西経済連合会の松本正義会長は先日、訪問先の北京で「中国に良い企業があれば、製品を購入する。協業してジョイントベンチャーを作る、あるいは共通の基盤で研究開発を進める。これはビジネスのルールとして当然のことであり、対立する関係ではない」と強調した。政治・外交関係が冷え込む中でも、日本の経済界は、グローバルなサプライチェーンが再構築される時代において、中国が不可欠なパートナーであることを深く認識している。
日本には「花より団子」ということわざがある。理念や感情論よりも、まず現実的な利益を重視するという意味だ。産業界にとって重要なのは、イデオロギーではなく実利である。少子高齢化が進む中で中国との協力を拒めば、日本自身の競争力を損ないかねないということではないだろうか。日本の政治指導者には、こうした現実をより客観的かつ冷静に見つめる姿勢が求められる。ゼロサム的な発想が、経済交流の足かせとなってはならない。(CMG日本語部論説員)
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