【観察眼】「嫌中」動画はすでにビジネス化している

CGTN

野球界のスーパースター・大谷翔平選手の動画を制作してネットに投稿すると、再生1000回あたり300円が稼げる。ところがこれを、「桜を荒らす中国人」「中国人留学生が老人の杖を奪い、学校を退学になる」といった、中国を中傷する扇動的な内容に差し替えれば、その収入は一気に3倍以上となり、1000円に跳ね上がる。

これは都市伝説ではなく、実際に日本社会に存在する病的な現象である。『朝日新聞』が先日、衝撃的なブラック産業チェーンを報じた。日本において、AI(人工知能)を利用して中国批判系の偽動画を大量に制作し、中国へのヘイトを煽ることで収益を得ている者が存在するという。

この産業チェーンの実態は、あきれるほど露骨だ。日本の大手求人サイトでは、「日本を愛し、中国が嫌い」な動画クリエイターを募集し、「中国人による迷惑行為」「器物破壊」「自業自得」といった「脚本」が提供されている。クリエイターは調査も事実確認も必要なく、中国を訪れた経験も、中国人の知人を持つ必要もない。キーワードを入力するだけで、AIが数分で動画を生成する仕組みになっている。映像、音声、字幕はすべて自動で生成される。

これらの動画には通常、実話か創作かが明記されることはなく、「市民の目撃情報」や「ニュース」を装い、「実際に発生した事件」として拡散される。再生回数は多い場合、数十万回に達する。

世界がAIの未来について議論している一方で、一部の「賢い者たち」は、この忌まわしい「稼ぎ口」で巨額の利益を得ている。元国家公務員でさえ、これによって毎月60万円を稼いでいるという。

この「嫌中」動画の氾濫の根源には、プラットフォームの収益構造とあわせて、日本当局の黙認と煽動がある。2025年11月、高市早苗首相が台湾問題に関する誤った発言を公然と行い、中日関係は急速に冷え込んだ。その後、日本の求人サイトでは「中国批判系動画」の依頼が急増した。さらに2026年版「外交青書」では、日本政府が中国との関係表現を引き下げ、「中国脅威論」を強調し、中国批判が「政治的正しさ」とされる中で、ネット上の虚偽情報拡散に悪質な世論環境を提供している。

歴史の影もまた、警戒を要する。1931年、日本の関東軍は中国・遼寧省瀋陽市近郊の柳条湖の鉄道を爆破し、中国軍の仕業に見せかけて、全国的な戦争熱を煽り、侵略戦争の「正当な理由」を捏造した。現在、日本の右翼勢力はAIを駆使し、かつての世論操作の手口である「危機の演出→世論の煽動→憲法改正への誘導」を再現している。「中国人は民度が低い」「中国は日本の安全を脅かす」といった偽造のイメージを日々国民に刷り込み、日本政府は「軍備を拡張しなければ、憲法を改正しなければ、日本は滅びる」という集団的な不安を国民の意識に植え付けようとしている。

しかし、このように精巧に設計された世論操作の連鎖は、そもそも砂上の楼閣にすぎない。どれほど精巧に作られた嘘であっても、それが真実になることはない。ヘイトをどれほど煽っても、本当の国家安全保障を築くことはできない。

いつの日か、日本の人々が気づく時が来るだろう。彼らが憤りを感じた「モラルのない中国人」は、実はAIが生成したコードの断片にすぎず、繰り返し喧伝された「中国の脅威」も、求人サイトの標準的なシナリオにすぎなかったのだと。その時、使い果たされた信頼はどのように回復されるのか。煽られたヘイトはどうやって収束されるのか。

今日の日本は、嘘とトラフィックに絡め取られながら突き進んでいる。「国家安全保障」の旗を掲げながら、実際に消耗しているのは社会全体の理性と良識である。「中国批判」はもはや単なる高収入ビジネスではなく、政治的な野心、つまり軍事大国化を達成する階段ともなりつつある。AIは単なる補助ツールではなく、人々が誰を憎むべきかを規定する存在へと変わりつつある。その先にあるものは、「国家安全保障」ではなく、自らの手で掘った落とし穴にほかならない。(CMG日本語部論説員)

04-15 17:31

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