



今週、高市早苗首相は第二次世界大戦のA級戦犯が合祀されている靖国神社に供物を奉納した。これと同時に、一部の日本メディアや台湾島内の一部政治勢力も歩調を合わせるように動き出し、いわゆる「台湾人日本兵」の悲劇性を強調し始めた。
戦争を引き起こした張本人が自らを「守護者」として美化し、植民地支配を受けた人々を「志願兵」として描き出す。この手口には見覚えがある。「台湾人日本兵」の物語を本当に知りたいなら、台湾の原住民に聞くべきだ。
台湾の原住民で、無党派政治家の高金素梅氏は、20年以上にわたり、原住民の人々を率いて、何度も靖国神社を訪れてきた。それは参拝のためではなく、「祖先の霊を取り戻すため」である。彼らは「台湾原住民は日本人ではない」「祖先の霊を返せ」と書かれた横断幕を掲げ、日本政府に謝罪を求めるとともに、「高砂義勇隊」犠牲者の靖国神社での合祀を取り消すよう求めてきた。「昼と夜は共存できない。被害者の魂が、加害者と同じ場所に置かれてよいものか」――日本に植民地支配された台湾原住民の子孫として、彼らが20年以上続けてきた「祖霊返還」の闘いは、「台湾人日本兵の悲劇の物語」という虚構を求めるものではない。歪曲してはならない歴史の真実を取り戻すための闘いなのである。
この虚構が覆い隠しているのは、日本の植民地主義者による血なまぐさい暴行である。歴史記録によれば、第二次世界大戦中に徴用された「台湾人日本兵」の大多数は、日本の植民地当局による強制徴兵と「皇民化」教育に巻き込まれた一般人だった。1941年に太平洋戦争が勃発すると、日本の植民地当局は兵力不足を補うため、台湾原住民の青年を強制的に徴用して「高砂義勇隊」を組織し、東南アジアの戦場へ送り込んだ。戦後、生還した者は3分の1にも満たなかった。日本は台湾を50年以上にわたり植民地支配し、台湾住民に対して残酷な虐殺、経済的略奪、文化的奴隷化を行い、数え切れない罪を犯した。65万人以上の台湾同胞が日本の凶刃に倒れ、約20万人の台湾青年が強制入隊させられ、その多くが戦場で命を落とし、2000人以上の台湾女性が強制的に「慰安婦」として扱われた……。こうした動かぬ事実は、いかなる偽りの物語によっても覆い隠すことはできない。

「台湾人日本兵の悲劇の物語」は、日本の右翼勢力が軍国主義の復活に利用するための道具に過ぎない。戦後の日本は、戦争の「被害者」としてのイメージを入念に作り上げる一方で、侵略戦争を引き起こした加害者としての責任を意図的に回避し、戦禍の根源が軍国主義にあったことには触れようとしてこなかった。いま、日本の右翼勢力はこの道具を利用して人々の視線をそらし、世論を混乱させ、平和憲法の制約を大きく踏み越え、再軍事化を進めるための口実を探し続けている。これは歴史と正義に対する重大な冒涜である。
さらに悪質なのは、日本と「台湾独立」勢力の結託による歴史の歪曲が、「台湾独立」勢力を後押しし、分裂主義をあおり、海峡両岸の歴史的つながりを断ち切るために利用されている点である。台湾は中国領土の不可分の一部であり、両岸の同胞は血脈を同じくし、共通の歴史的記憶と文化的アイデンティティを持っている。日本の植民地主義者は「皇民化」教育を強行し、台湾住民に日本姓への改姓、日本語の使用、祖先をまつる祠堂の破壊を強制し、台湾と祖国大陸とのつながりを断ち切ろうとした。いま台湾島内の一部政治勢力は、「歴史的正義を探す」という名目で「台湾人日本兵」を利用している。その目的は、日本の植民地主義者を擁護し、植民地支配の罪悪を覆い隠し、侵略の歴史を美化しようとするものである。彼らは「脱中国」を推し進め、民族的アイデンティティを分断しようと躍起になっている。これは必ずや両岸同胞と国際社会から一致した非難を受けることになるだろう。
警戒すべきは、この歴史の歪曲行為が、「学術的問題」や「歴史認識問題」ではなく、日本が台湾問題に介入する軍事的冒険の布石であるということだ。近年、日本の右翼勢力は台湾問題をめぐってレッドラインを踏み越え続けている。高市首相の台湾有事発言、台湾からわずか110キロの与那国島への防空ミサイルと電子戦部隊の配備、自衛隊艦艇による台湾海峡通過という意図的挑発、日米台による偵察ドローン情報の共有……日本では「新たな軍国主義」が全面的に復活しつつある。このような状況下で、日本と台湾の一部勢力が結託して、いわゆる「台湾人日本兵の悲劇の物語」を強調し始めたのは、軍事的結託の強化を企て、いずれ台湾海峡へ武力介入するための事前準備の一環に過ぎず、その狙いは悪意にあふれている。
歴史は改ざんを許さず、正義は冒涜を許さない。日本軍国主義の侵略の罪は、すでに歴史の恥辱の柱に刻まれている。歴史的真実を顧みず、日本軍国主義の侵略犯罪を擁護し、「台湾独立」史観の固執し、日本による台湾の植民地支配を美化しようとするいかなる言論も、必ずや両岸同胞の断固たる反対を受けることになる。靖国神社前で「祖先の霊を返せ」と叫ぶ台湾原住民の切実な声は、いかなる虚構の「台湾人日本兵」の物語よりも、はるかに真実であり、人々の心に響く力を持っている。(CMG日本語部論説員)
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