世界の高速鉄道技術をリードする中国。2024年末には、試験走行時速450キロ、営業運転時速400キロの高速鉄道CR450の試作車を北京で初めて発表し、世界の注目を集めた。北京から上海までの高速鉄道路線は1318キロ。2025年にCR450が運営されれば、北京から上海まで最短3時間半となり、高速鉄道の利便性は飛行機に匹敵するものとなる。

2024年末現在、中国国内の鉄道の営業距離は16万2000キロに達し、うち高速鉄道は4万8000キロを占めている。また、2024年の国家鉄道の旅客輸送者数は前年同期比10.8%増の延べ40億8000万人になり、貨物輸送量は39億9000万トンで8年連続の増加となった。

中国の高速鉄道は海外でも、高性能、適正価格、優れたサービスによって顧客と乗客の信頼を得ており、トルコ、ケニア、サウジアラビア、インドネシア、タイ、ハンガリー、セルビア、リビアなどの国々と協力して現地で鉄道を建設している。

インドネシアのジャカルタとバンドンを結ぶ高速鉄道は、所要時間をそれまでの3時間以上から46分に大幅短縮し、2024年10月17日までに累計延べ579万人がこの高速鉄道を利用した。インドネシア政府側のデータによると、このジャカルタ・バンドン高速鉄道プロジェクトは2019年から2023年までに、ジャカルタと西ジャワに86兆5000億ルピア（約400億元）の経済効果をもたらした。

2023年、インドネシアのジョコ大統領はこの高速鉄道に試乗後、高速鉄道の名称およびチケット購入用の携帯アプリを「Whoosh（ウーシュ）」と名付けた。「Whoosh」はインドネシア語で、感嘆や歓呼の声を表す言葉であり、また、「時間節約」「効率的」「先進的」の頭文字をとった略語である。この言葉は高速鉄道への高い評価を象徴している。

中国とラオスを結ぶ鉄道は2021年12月3日に開通した。過去3年間の累計旅客数は延べ4300万人、貨物輸送量は4830万トン、うち国境を越えた貨物は1060万トンに達し、輸送品目も約500種類から3000種類以上に拡大した。ラオスのビエンチャンタイムズ紙の記者は、「中国・ラオス鉄道が開通する前は、長時間で費用も高いバスに乗っていた。現在、人々は中国・ラオス鉄道の便利なサービスに満足している。ラオスに投資する人がますます増え、雇用のチャンスが増加し、収入も増え続けている」と語った。

2017年、中国は欧州でハンガリー・セルビア鉄道の改修および新建設を開始した。このうち2022年3月19日に開通したセルビア国内のベオグラードからノヴィサド間は全長約80キロで、列車の最高運行時速は従来の40〜50キロから200キロに引き上げられた。往復運賃は人民元に換算して約64元。この2年数ヶ月での累計旅客数は延べ700万人を超えた。最新の情報によると、ハンガリー・セルビア鉄道は2025年に全線が開通する見通しだ。この鉄道建設工事でチーフエンジニアを務めるセルビア人のミラン・バノビッチ氏は「今の列車は非常に快適で便利だ。沿線の乗客の生活の質も向上した。仕事の中で中国の鉄道技術と装備の先進性を実感している」と述べた。

発展途上国だけでなく、米国や日本など一部の先進国も中国の高速鉄道関連技術の導入を検討している。2010年、当時のカリフォルニア州知事だったシュワルツェネッガー氏は上海を訪れ、高速鉄道「和諧号」と関連施設を視察し、「カリフォルニア州は計画中の高速鉄道の整備事業への中国資本を歓迎し、中国企業の建設入札を歓迎する」と述べた。中国の高速鉄道の技術はその後も絶えず更新され、鉄道路線もますます長くなっているが、残念なことに、シュワルツェネッガー氏の描いた目標は実現しておらず、カリフォルニア州の高速鉄道はいまだ開通していない。

2024年11月18日付の日本経済新聞によると、日本の山梨県の長崎幸太郎知事は、中国中車グループ（CRRC）が開発したゴムタイヤ電車システムを富士山登山者の輸送に採用する計画を発表した。この新方式は、日本企業によるこれまでのレール式次世代型路面電車に代わるものであり、建設費を60～70%削減し、線路周辺の環境への影響も低減できるという。実は最新の中国高速鉄道CR450の列車も中国中車グループ製である。これは中国の高速鉄道製造企業の技術の先進性と信頼性およびコストパフォーマンスが高速鉄道技術強国の日本から高く評価されていることを示している。

習近平主席はかつて、「世界が良くなってこそ、中国も良くなる。中国が良くなれば、世界はもっと良くなる」と言った。中国は今後も世界各国の鉄道建設協力プロジェクトに積極的に参加し、現地の人々の移動の利便性を高め、経済発展を促進し、幸福度の向上に貢献していく。（CMG日本語部論説員）