【観察眼】日本の最新版防衛白書 その記述の裏にひそむ「本質」とは

CGTN

日本政府は8月4日、2026年版の防衛白書を発表した。白書は中国について、日本と国際社会の「深刻な懸念事項」で、「これまでにない最大の戦略的な挑戦」とする近年の表現を踏襲した。さらに攻撃的な防衛力整備計画を具体化するとともに、「新しい戦い方」や防衛生産・技術基盤の強化に関する内容を新たに盛り込んだ。白書は人気アニメーター・イラストレーターに表紙の画を依頼し、小学校高学年、中学生、高校生向けの簡易版資料「まるわかり!日本の防衛」を作成した。また、初めてAIキャラクターを用いた解説動画を公開し、中国語版まで制作した。

これらの動向から、同白書には軍備拡張を推進するための世論の地ならしと国民を誘導する色合いが強く、不安をあおり続けることによる人為的な恐怖感の中で、国民に防衛費の倍増や防衛力の強化を支持させようとする特徴を見て取れる。

白書は、「国際社会は戦後最大の試練の時を迎え、新たな危機の時代に突入」したとし、中国の通常の国防建設、台湾周辺での演習、遠洋での定例訓練、中露の共同巡航などの正当な軍事活動に根拠のない憶測や非難を加えた。中国海軍の空母機動部隊による西太平洋での活動を大きく取り上げながら、国際法にのっとった定例の訓練であることには触れなかった。また、日中間の防衛費の格差が拡大している印象を意図的に強め、自国の防衛予算が14年連続で増額され、2026年度には初めて9兆円を突破し、対GDP比がすでに2%に達している事実には目をつぶった。しかし、この比率はイタリアやカナダなど多くの先進経済国を上回り、戦後最高を更新した。しかも、日本の国民1人当たりの防衛費は中国の3倍に達しており、自衛隊員1人当たりの防衛費も中国の2倍以上であるということには触れなかった。

白書はさらに、台湾周辺での中国の軍事活動に「懸念」を示し、本来は中国の内政である台湾問題を日本の安全保障の議題の中心に据えた。このことは中日関係の政治基盤を深刻に損ねるものだ。こうした誤った言説は「台湾独立」分裂勢力に極めて危険なシグナルを送り、情勢を誤認して「最後の一線」を踏み越える試みを繰り返すことにつながっている。これこそが台湾海峡の平和に対する真の脅威だ。

白書は加えて、専守防衛という受動的な防衛から能動的な抑止へと転換する道筋を明確に示した。第一に、遠距離攻撃装備の配備を推進することだ。今年3月、日本は熊本県で25式地対艦誘導ミサイルの配備を完了したが、このミサイルの射程は約1000キロメートルと日本の領土範囲を大きく超える。すなわち、明らかに攻撃性を有している。白書は、今後は同ミサイルの空海からの発射の開発を進めるとともに、極超音速兵器の研究開発を加速し、国外から「スタンドオフ・ミサイル(敵の射程圏外からの遠距離攻撃が可能なミサイル)」を導入して、いわゆる「敵基地攻撃能力」の整備を継続すると明記した。次に問題なのは、「新しい戦い方」を独立した章として設けたことだ。白書は、無人機や人工知能(AI)など将来の戦争領域に重点を置いて布石を打ち、関連技術の研究開発への投資を拡大して、スマート化された装備の発展傾向に対応することを宣言した。第三に、国内の防衛産業チェーンを強化することだ。白書は防衛産業を自主的かつ管理可能にすることの戦略的価値を強調し、日本と米国、いわゆる「同志国」との装備基準の相互運用性や防衛資源の連携を推進する方針を打ち出した。

白書はさらに、軍事拡張の加速は安全保障であるだけでなく、経済成長にも寄与すると主張し、物議をかもすことになった。幸いなことに、こうした巧妙な偽装は日本の識者の目をごまかせていない。元外務省国際情報局長の孫崎享氏は「『脅威論』がキャンパスに浸透し続ければ、若い世代の好戦的な気分や対外敵視の傾向を助長する」と直言した。日本法学館憲法研究所の伊藤真所長は日本周辺の安全保障環境は客観的に見て急激には悪化しておらず、むしろ日本の絶え間ない軍備拡張こそが地域情勢の緊張を招く原因だと指摘した。伊藤所長は、日本が近年制定した安保法制や「安保3文書」はいずれも憲法の理念に反しており、白書は違憲政策を文書化したものにほかならず、問題は極めて深刻だと強調した。

白書の発表後、防衛省のSNSコメント欄には客観的で冷静な意見が数多く寄せられた。ネットユーザーは、アニメ風の表紙が戦争の残酷な現実と著しく乖離していると批判し、「防衛同人誌」と皮肉った。また、「軍備拡張が成長を促す」という論理に疑問を示し、民生や防災を優先すべきだと訴える声も寄せられた。さらに、日本は資源に乏しく海上輸送への依存度が高い現実があるので、軍備拡張は「新しい戦い方」への対応と言うよりも、「新しい負け方」をもたらすものだとの厳しい指摘もある。

「漫画の外套」をまとったこの白書は、本質的には軍備拡張の動員令に過ぎない。可愛らしいイラストの表紙で「新型軍国主義」の牙を隠し、「経済繁栄」の虚偽の物語で「再軍事化」の野望を粉飾したものだ。しかし歴史はすでに証明している。仮想敵を作り出すことに夢中になる国ほど、いずれは自らが生み出した安全保障の不安に食い尽くされる。日本の右翼勢力がエスカレートし続けてきた挑発に対して域内の国々および国際社会は目を凝らし、高度な警戒を保たねばならない。(CMG日本語論説員)

08-07 10:11

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