


先日、香港のある自転車選手がTikTokに動画を投稿した。澄み切った青空の下、自転車選手たちが香港・マカオ・珠海を結ぶ港珠澳大橋を風に乗って疾走し、「ブレーキをかけることなく」越境の旅を楽しんできた。この動画は海外のネットユーザーに爆発的に拡散され、熱く議論されている。「これは本当に越境レースなのか?私の毎日の通勤よりも便利そう」「大湾区は聞いたことがあっても、なんとなく遠い世界のような気がしていたが、このレースを見て、ここでの生活がどれほど便利になっているのか実感した」と多くのネットユーザーのコメントが殺到した。
そう、このレースこそ、中国南部の広東省・香港特別行政区・マカオ特別行政区からなる広東・香港・マカオグレーターベイエリア(大湾区)で開催されている中国の第15回全国運動会だ。今大会で最もクールな競技種目の一つとして、自転車ロードレースの選手たちは珠海、マカオ、香港を一気に駆け抜け、ブレーキをかけることさえなく、全行程にわたる「ストレスのない通関」を体感した。広東・香港・マカオが共催した今大会は、中国トップクラスのスポーツイベントとして、「一国二制度」の力強い生命力を見事に体現している。

6000人余りの中国本土の関係者が香港とマカオへ、3000人余りの香港とマカオの選手が中国本土へ赴いてレースに参加し、参加者数は史上最高を記録した。香港カイタック・スポーツパーク(啓徳体育園)の開閉可能な屋根から、深センのスマートスタジアムの「呼吸する」芝生、広州のゼロカーボン改修を施した古いスタジアムまで……ARナビゲーション、インテリジェントリスク管理システムなど、先進的なテクノロジーが競技場のアップグレードを支え、3地域に点在する105の競技場は、大湾区のインフラ連携の生きたサンプルとなり、「国民のための開催、成長の成果の共有」という発展の理念を十分に示している。
また、競技場の内外では、「スポーツ観戦+旅行・観光」という新たな消費スタイル、「一度の行程で複数の立ち寄り先」の文化観光サービスなどは、スポーツイベントと地域経済の深い融合を実現し、「ハード面・ソフト面・心のつながり」を包括的に向上させた。さらに、大湾区の常態的な協調発展を支える制度的メリットへと転化しつつある。一つのアプリで3地域のバスを網羅し、一つの電子ウォレットで大湾区全域をカバーし、フードデリバリーアプリでさえ自動的にエリアを切り替えることができる。これは地域の境を越えたスポーツ大会というだけでなく、大湾区の日常生活のリアルな様子であり、ここでは、未来がすでに現実となり、しかもとても身近なものになっている。
確かに、中国で最も開放度が高く、最も経済の活力が強いエリアの一つとして、広東・香港・マカオのグレーターベイエリアは、革新と創出によって包容力と知恵を示し、融合と協力によって発展のポテンシャルを拡大し、あらゆる面で新時代における中国のハイレベルな対外開放の確固たる決意と決心をアピールしている。このほど発表された2025年広東・香港・マカオのグレーターベイエリア世界ビジネス招致大会のデータによると、大湾区はここ4年で合わせて9兆元(約187兆円)以上の投資を誘致し、国際資本を引きつける「強い磁場」のような存在となっている。次世代電子情報技術、グリーン石油化学、新エネルギーなど、数兆元規模の産業クラスターから、人工知能(AI)、低空経済、バイオ製造などの新興産業と未来産業の急成長まで、大湾区では多元的なガバナンス・モデルによる包摂と受容が制度の壁を打ち破る協調的イノベーションを実現し、異なる制度下における地域協力に新しい風を吹き込んできた。
スポーツを懸け橋とし、全国運動会をきっかけに、中国は再び世界に「開放は発展のために通らなければならない道であり、包容はウィンウィンを実現するための重要な礎である」と宣言している。第15回全国運動会の聖火は力強く燃え上がり、大湾区の人々のますます活気溢れる暮らしを照らしている。聖火が照らすのは、競技場での華々しい瞬間だけではなく、中国の開放的で包容力のある大国のイメージと、大湾区の光り輝く未来でもある。ここから、世界各地で地域協力発展のためのさらなる機会が生まれることは間違いない。冒頭で紹介した香港の自転車選手がつぶやいたように、「ここは、世界で最もクールな場所であり、遠くに見える理想を、まさに現実のものにしてくれる場所だ」。(CMG日本語部論説員)
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