【意味】
逆方向旅行は中国で2022年頃から若者を中心に広まっている新しい旅行スタイルで、人が集まる人気スポットを避けて、あまり知られていない穴場へ行く旅行のことです。低コストでディープな旅が多くなっています。
【関連背景】
旅行慣れした若者たちは、あえて不便な場所に行って、自分だけの体験をしたがるようになっています。静かなところでのんびりしたいと思う若者が多くなったのかもしれません。たとえば、北京では夏休みになると、天壇公園、万里の長城、頤和園などが観光客で大混雑します。最近の若者たちは、そういう所を避けて、あまり人が行かない隠れた名所旧跡やちょっとした郊外、未開発の自然が残っているところなどで、のんびりした休暇を過ごす人が多くなりました。2000年以降に生まれた若者たちの70%以上が逆方向の旅行を選んでいるそうです。人が行かない所に行くので、反向旅行。逆方向の旅行というのです。
低コストで、1日あたりの平均消費は普通の旅行の3割程度なんです。高速鉄道にふらっと乗って、知らない街の野菜市場をぶらつくような、自由な旅を楽しむ人もいます。友達からの口コミや、レットブックなどのSNSを活用する人が多いです。SNSでは、旅行者が体験記を書いたり、地元の人が情報を発信したりしているので、これまでには誰も知らなかったような新しい目的地がどんどん生まれています。
最近有名になったところでは、北部の山西省長治市の古代建築物や南西部の四川省安岳県の石窟などがあります。中国最北部にあるハルビンは、以前は暑い夏に避暑に行くような場所だったんですが、2023年の冬にSNSから火がついて大人気になりました。もう“反向旅行”ではなく、冬の定番の大人気スポットになっています。
連休中の有名観光地の混雑も少し緩和されたし、これまで注目されていなかった地域でもサービスが充実し始めていて、エリアの観光経済は23%も増えました。伝統文化が普及するきっかけにもなっています。逆方向旅行は中国旅遊研究院の流行語にも選ばれていて、今後もますます増えていくと思います。
【使い方】
日本游客反向旅行到山东农村学蒸馒头,中国年轻人反向旅行到东京郊区种水稻。
(日本人観光客は逆方向の旅で山東省の農村部に向かい中華まんの作り方を学び、中国の若者たちは東京の郊外で田植えを体験している)
真正的反向旅行不是地理上的背道而驰,而是重新定义生活与远方的距离。
(逆方向の旅とは単に地理的に逆方向へ行くことではなく、「生活」と「遠い未知の場所」の距離を再定義することだ)
选择反向旅行,周末坐高铁去邻省小镇的菜市场反而成了最治愈的体验。
(逆方向の旅行で、週末に高速列車に乗り、隣の省の小さな町の市場に行くようなことが、逆にいちばんの癒しになる)
担当:殷絮、鳴海美紀
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