サプライチェーン博と日本企業〜関西経済連合会・松本正義会長「経済界として両国の交流発展に貢献したい」

KANKANインタビュー

「第4回中国国際サプライチェーン促進博覧会(サプライチェーン博)」が6月22日に北京市内で開幕しました。今年のサプライチェーン博は、中日関係の冷え込みが続く中で開幕しました。開幕式に招待された関西経済連合会の松本正義会長(住友電気工業会長)は同日、CGTNの取材に応じて経済界として両国の交流の発展に貢献したいという意欲を改めて示しました。

■中国は重要なパートナーであり続ける

――現状の中日関係を踏まえ、今回の訪中への思いをお聞かせください。

両国の関係は非常に厳しい状況にありますが、中国は日本にとって重要な隣国であり、いわゆる「一衣帯水」の関係にあります。経済界にとっても中国は極めて重要なパートナーです。それゆえ、両国間の政治的な関係が経済活動にマイナスの影響を及ぼすことがないよう願っています。

これまで関西経済界は、両国関係が厳しい局面にあっても、粘り強く中国との関係維持に努めてきました。今の状況においても、先人たちが築き上げてきたこうした取り組みの重みを胸に刻み、経済界として両国間の交流の発展に貢献していきたいと考えています。

――松本会長は昨年末、日本メディアの取材に対し「経済界には交流維持の責任がある」と表明しました。両国関係が困難に陥った時、経済界が果たせる役割についてどうご覧になりますか。

経済界は『政経分離』、すなわち外交面で厳しい状況にあっても、一貫して両国間の関係維持と発展に全力を挙げていきます。関西経済は、日本の他の地域と比べても中国との貿易が占める割合が非常に高い。こうした構造的な強みもベースに、関西経済界としては中国との経済交流の強化にしっかりと努めていきたいと考えています。

――6月上旬、(在中日系企業の団体である)中国日本商会が発表した「中国経済と日本企業2026年白書」によると、2026年の対中投資について「増加・維持」と回答した会員企業が59%に達し、事業展開で「拡大」および「現状維持」を合わせて約85%と、多くの日本企業が中国市場と深くかかわる姿勢を堅持しています。松本会長の出身企業である住友電工を例に、日本企業にとっての中国の位置付けを教えてください。

住友電気工業も、この調査結果と同様の認識を持っています。中国市場はわが社にとって、非常に親しみのあるマーケットであり、多くの友人がいます。中国のパートナーと手を結んで、ここで(中国で)作っているものを欧州や米国、日本に販売し、また日本で作ったものを中国に提供し、さらに新しい製品を共同で作っていくというよい循環を築いていきたい。中国は日本企業、そして関西企業にとって、これからも重要なパートナーであり続けると確信しています。

■サプライチェーン博は世界経済の発展に大きな意義を持つ

――サプライチェーン博へのご出席は3回目だと伺っておりますが、この博覧会に寄せる期待をお聞かせください。

中国国際サプライチェーン促進博覧会は、大変重要なイベントであると認識しており、昨年、1昨年も開幕式に出席させていただきました。訪れるたびに、博覧会が目覚ましく発展していることに感銘を受けています。今年も住友電気工業をはじめとする関西企業が出展しており、私も中国におけるサプライチェーンの発展を学ばせていただくべく訪れました。この博覧会は、サプライチェーンの強靭(きょうじん)化と、貿易・投資を通じた世界経済の発展に大きな意義を持つものと確信しています。博覧会を通じて日中の人々や企業の活発な交流が実現し、新たな協力パートナーが数多く生まれることを期待しています。

――最後に、隣国同士である中国と日本について、長期的な視点でどのような関係を構築してほしいとお考えですか。

先ほども申し上げた通り、両国関係は厳しい局面にありますが、中国は日本にとって『一衣帯水』の重要な隣国であり、経済界にとっても不可欠なパートナーです。両国政府間においては、さまざまなレベルで粘り強い対話が重ねられ、相互理解が深まることを心から期待しています。

◆◆

今年のサプライチェーン博には、サプライチェーンでの協力においてリーダー格である企業676社が出展しています。日本企業では、住友電工、パナソニック、ダイキン、サントリーなど関西陣が目立ちます。松本会長の話からも、両国の政治関係に波風が起きた時でも、「経済・貿易という両国関係の土台を守り抜く」という静かな決意が伝わってきましました。サプライチェーン博が示す「世界とつなぎ、共に未来をつくる」という理念は、単なる経済面での利害の一致を超え、中日両国が持続可能な未来を共に創出するための羅針盤となるはずです。経済界のたゆまぬ対話と協業が、両国関係の氷を溶かす第一歩となることが期待されています。

(聞き手:王小燕、校正:鈴木)

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